2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330154
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
青木 紀久代 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (10254129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 亜矢子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (50271614)
冨士原 紀絵 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (10323130)
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Keywords | 学校メンタルヘルス / コミュニティアプローチ / 食育 / アウトリーチプログラム / 学校力 |
Research Abstract |
今年度は、「学校力」に着目した心の健康と発達支援の方略を構築するために次の3つの研究課題を実施した。 継続プログラムの実践と効果の検討:食育を通して心の健康の向上を目指した継続プログラムは、3年次のプログラムを考案し、中学1年生110名に実施した。アンケート調査、課題作文の分析から、生徒とその保護者に食態度の向上が確認され、プログラムの有効性が示唆された。このうち、小学校でプログラムを経験した46名を心理教育経験群、その他を統制群としてプログラムのアウトカム評価を行った(学会発表予定)。 学校力アセスメントシート活用の検討:初年度に検討した「学校力」に関する構成要素をもとに、学校における援助資源のアセスメントシートを作成し、臨床的な活用性を探索した。心理教育プログラムを実践した小・中学校において、学校長・教師らに、アセスメントシートをガイドラインとしたヒアリング調査を行った。当該校のスクリルカウンセラーにインタビュー調査を行い、ここで得られた内容が、学校への介入時への援助資源として活用可能かどうかを検討した。その結果、アセスメントシートを利用することで、学校力を一定の観察視点から短期間で把握することができ、児童生徒の支援窓口や支援方法の多様性が高まることが示唆された。 児童生徒のメンタルヘルスの国際比較:韓国と日本の韓国人学校の中学生1~3年生約2000名に学校メンタルヘルス尺度を用いて調査を実施した。その結果、韓国の中学生は摂食障害傾向が特に高いこと、日本の韓国人学校の中学生は、韓国の中学生とは異なる文化意識を持つことなど、韓国・日本双方の学校支援に有用な知見が得られた。 以上これまでの研究の概要について、研究協力地域における学校関係者(約200名)に向け、成果発表を目的とした講演を行った。
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