2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330154
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
青木 紀久代 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (10254129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 亜矢子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (50271614)
冨士原 紀絵 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (10323130)
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Keywords | 学校メンタルヘルス / 学校力 / 食育 / 心理教育 / プログラム評価 / 地域力 / 実践研究 / 家庭科 |
Research Abstract |
研究最終年度は、(1)調査・実践のフォローアップと成果報告、(2)学校力に着目した心の健康と発達支援方略モデルの提案、(3)成果発表、が研究課題となった。 1.調査・実践のフォローアップ:Getting to Outcome^<TM>を参考に、実践全体のプロセス・プログラム評価を行った。プログラムを2年間行った小学校では、メンタルヘルスの一側面である「摂食障害傾向」が統計的に有意に低下し、「共同体的自尊感情」が高まっていた。食事を巡って家族や友人とコミュニケーションを交わしたり、日々の生活を振り返ったりする機会を設けたことによる効果が表れたものと考えられた。対象児童・生徒の学年は全国的にも「摂食障害傾向」は高く、自尊心を高めつつそれが減少したことの意義は大きいと考えられる。 2.学校力に着目した心の健康と発達支援方略モデルの提案:学校力アセスメントシートの妥当性を検討し、学校力と地域力を加味したアセスメントパッケージを完成させた。実践を行った2校においてシートをもとに実践を整理し、各校において効果的な心め健康と発達支援の方略を考察した。家庭科の授業だけでなく、総合学習など科目横断的な授業時間を活用した実践方法を構築したこと、また実践全体をデザインしつつ、個々の実践を重ねながらシステムを作り上げる発達支援方略モデルが提案できた。 3.成果発表:実践を行ってきた地方自治体で「食と心の健康教育プログラム」を、知的財産システムとして還元するための最終報告をまとめた。実践協力校からの評価も得た。同書は、地元メディアで取り上げられている。また、アメリカ心理学会第27部門(The Society for Community Research and Action)、日本心理臨床学会で、関連テーマの成果発表を行う(計8本)。国内誌2本の採択が決まり、国外誌にも投稿した他、現在も複数の成果論文を執筆・投稿中である。
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