2008 Fiscal Year Annual Research Report
転換期における日本の修士課程教育の質保証と国際通用性
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19330192
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Research Institution | National Institution for Academic Degrees and University Evaluation |
Principal Investigator |
瀧田 佳子 National Institution for Academic Degrees and University Evaluation, 学位審査研究部, 教授部長 (40154950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 一彦 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 学位審査研究部, 教授 (70101095)
六車 正章 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 学位審査研究部, 教授 (00321597)
角田 敏一 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 学位審査研究部, 教授 (70034402)
吉川 裕美子 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 学位審査研究部, 教授 (80282903)
森 利枝 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 学位審査研究部, 准教授 (00271578)
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Keywords | 高等教育 / 理工学系大学院 / 大学院修士課程 / 工学教育 / 高等教育の質保証 / 大学院教育の国際通用性 |
Research Abstract |
平成20年度は前年度の基礎研究に基づき、全国の国立大学54、公立大学11、私立大学36の計101大学の大学院理工学研究科・学府921専攻に対して、修士課程教育の実態に関するアンケート調査(質問項目の作成・郵送)をおこなつた。アンケートは独自に作成した30の質問項目からなり、中教審答申「新時代の大学院教育」で、研究者(等)および高度専門職業人養成のために求められている教育が、特に研究室においてどのようになされているかを調査した。30の項目は、「教育目標の設定」など理念的なものから、定員、入学者の決定、単位数、メジャー・マイナー制など主として制度に関わるもの、カリキュラム、指導体制、修士論文作成、合否判定、英語による教育など、内容に関するものまで多岐に亘った。その結果、依頼した921専攻のうち、684専攻から回答が寄せられたが、これは全体の74パーセントにあたり、日本の大学院における理工系教育の実情把握に益する数と思われる。ただちに集計・整理作業にかかり、21年3月、アンケート集計結果(速報)を各大学院専攻科にフィードバックした。詳細な分析と検証は引き続き平成21年度におこなうが、これまでの集計によると、工学系修士課程の研究室教育は、「自立した研究能力の修得」および「創造力・自立力を磨く教育」に特に有効であり、次いで「多様な研究活動を通した研鑽」、「表現能力・交渉能力を磨く教育」、「理論と実践の架橋」に対しても有効であるという結果が得られた。 また、20年7月から9月にかけて、フランス、スイス、デンマーク、オーストリアの大学、研究所を訪問し、近年急速に再編成されつつあるヨーロッパの高等教育において、工学系修士課程教育の実情調査をおこなった。海外の大学院教育との比較検討は、日本の工学系大学院教育の国際通用性を理解する上できわめて重要であり、来年度の最終報告にはそれを踏まえて研究成果を公表する予定である。
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Research Products
(18 results)