2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19330194
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
千葉 胤久 Hokkaido University of Education, 教育学部, 准教授 (90333765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 嘉也 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (50153771)
羽根田 秀実 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (50180922)
笠井 稔雄 北海道教育大学, 教育学部, 教授
金山 正彦 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (30455703)
小林 宏明 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (00455700)
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Keywords | 道徳 / 倫理学 / 哲学 / 指導法 / 教育方法 |
Research Abstract |
今年度は,昨年度に引き続き,道徳の授業における「価値の主体的自覚を目指す指導方法」に関して,その改善策の検討を以下の3点に着目しながら行なった。 1.価値の混在する資料の取り扱いについて 2.価値の主体的自覚を促す指導の困難さについて 3.発達段階を考慮した指導について 1.の観点に関しては,道徳の授業において複数の道徳的価値が混在する資料を扱うためには,授業の目的に照らして重点を置くべき価値を明確化すること,価値の対立を解消(止揚)する方法の模索を児童・生徒に促すための問いを工夫すること,これらの点に留意することが重要であるということを明らかにすることができた。 2.の観点に関しては,「人間の弱さへの共感」を重視した道徳授業を構想することが指導上効果的であるという知見を得ることができた。この「人間の弱さへの共感」は,子どもが自他の「弱さ」を認め合い共感できるようになることであり,授業が単なるきれいごとで終わらないためには他の「弱さ」の受容から出発する必要があるということを明らかにすることができた。 3.の観点に関しては,ピアジェ,コールバーグらの道徳性発達理論を参照しつつ研究協力校の授業実践を分析・考察した。この考察を通じて,発達段階を考慮した指導計画を価値項目ごとに立てることの重要性を確認ることができた。 これらの研究の成果は,平成21年度北海道教育大学旭川実践教育学会の場でシンポジウムの形式をとってて発表され,小・中学校教員などの教育関係者へ「道徳教育の効果的な教育方法」として提案された。
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