2008 Fiscal Year Annual Research Report
戦後日本における教育実践の展開過程に関する総合的調査研究
Project/Area Number |
19330195
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
臼井 嘉一 Kokushikan University, 文学部, 教授 (50151866)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和井田 清司 武蔵大学, 人文学部, 教授 (50345542)
武藤 拓也 国士舘大学, 文学部, 准教授 (50290664)
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Keywords | 地域教育実践 / 実践の理論化 / ライフヒストリー / 社会科サークル |
Research Abstract |
本年度は第1に研究三課題((1)「日本社会の基本問題」生成と教育実践・教育理論の相互環琉過程、(2)社会科三プラン(「上越教師の会」「東京サークル」「香川社会科サークル」)の生成と展開過程、(3)「日教組教育課程改革試案」と総合学習構想)の研究をまとめ、第2に四地域(上越地域、山形地域、奥丹後地域、愛知三河地域)に加え、北海道地域、但馬地域、熊本地域にも視野を広げて予備的調査を開始し、さらに第3に以上の調査・資料収集をふまえて複数学会での報告とともに、本研究グループの主催による「戦後教育実践史研究会」においてそれまでの調査・研究の報告・学習会も行ってきた。 以上のような課題とその調査・研究によって、第1に東京サークルと香川社会科サークル等をささえた教師と研究者の組織(「全国青年教師連絡協議会」=全青協)の存在とその活動実態が明らかになり、第2に山形地域と但馬地域の生活綴方教育運動の共通点・相違点が一定程度明確になってきた。第3に東京サークルの高木浩朗氏の実践が戦後初期「新教育」及び愛知三河地域の社会科初志の会とも関わりを有することが明らかになり、第4に全青協の熊本地域の実践の実態とともに、それらと「総合学習」との関連も一定程度明確になってきた。 このような成果によって、本研究における三課題と地域実践との相互関連、及びその担い手である教師と研究者の実相も明確になり、したがって戦後教育実践史における教師と研究者の相互関連と、その実践的特質が浮き彫りにしつつあるところに今年度の研究的意義がある。
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Research Products
(10 results)