2010 Fiscal Year Annual Research Report
数学・物理学の様々な局面で現れるモジュラー・準モジュラー形式の総合的研究
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19340009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
金子 昌信 九州大学, 数理学研究院, 教授 (70202017)
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Keywords | モジュラー形式 / 準モジュラー形式 / 超幾何微分方程式 / 位相不変量 / 共形場理論 / 擬モジュラー形式 |
Research Abstract |
楕円モジュラー関数の実2次点での値に関連して,実2次無理数のcaliberについて調べ,ある種の合同式に関する予想を得,部分的に証明した.有限多重ゼータ値のmod pで見られる現象から類推して得られた多重ゼータ星値に関する予想を高さ1の場合に証明した 超対称性共形場理論に密接に関わる擬テータ関数について詳細に調べ,複素多様体の楕円種数に含まれる非BPS状態数を多様体のエントロピーと解釈することを提唱,厳密な解析を行いブラックホールのエントロピーとの関連を指摘した マッカイ・トンプソン級数からAtkinの方法で得られる2進的な保型形式について調べた 頂切離散付値環の拡大についてのDeligneの定理の一部を剰余体が不完全の場合に一般化した.Serreの保型性予想の2次体版を幾つかの2次体についてmod 2表現の場合に確かめた 8種類のパンルヴェ方程式を10種類の射影直線上の階数2の線形接続のモノドロミー保存変形として考察し,対応するストークス・モノドロミー空間をアフィン3次曲線の族として具体的に表示した.放物接続のモジュライ空間に自然に2通りのラグランジアンファイブレーションが存在する事、およびその2つが横断的であることを示した.ラムダ放物接続のモジュライ空間のザリスキー稠密な開集合上に自然な標準座標が入る事を示した.またその座標のラムダが0になる時の挙動を調べた 3次元のReye congruenceに関わって構成されるカラビ・ヤウ多様体Xが双有理ではないが圏同値であるもう一つのカラビ・ヤウ多様体Yと対をなす事を予想し,Yの構成を行った上でBPS数の具体的計算とミラー対称性との整合性を詳しく調べ成果を得た
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