2009 Fiscal Year Annual Research Report
代数解析的手法による代数群および量子群の表現論の研究
Project/Area Number |
19340010
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
谷崎 俊之 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (70142916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼田 正治 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60204575)
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Keywords | 代数解析 / 代数群 / 量子群 |
Research Abstract |
研究代表者は,前年度の研究により,ベキ根での量子旗多様体に関するベイリンソン・バーンシュタイン型定理の証明ができあがったものと思い,論文を書き始めた.約100ページの論文が完成したかと思ったが,最終段階で証明の不備が見つかり.再検討を余儀なくされた.微分作用素環の東屋性に関しては問題がないので,この部分だけはプレプリントサーバーにおいて公開した(この部分だけでも70ページ近い量になった).残りの部分の証明に時間を費やしたが,完成には至っていない.ただし次のような方針でできるのではないかと思い検討中である.まずべイリンソン・パーンシュタイン型定理を示すには,量子微分作用素環自身の高次コホモロジーの消滅と大域切断の空間が量子包絡代数のある商になることの2つが示されればよいことがわかる.量子包絡代数に関しては,そのある種のフィルター付けが,デコンチニ・プロチェジらにより構成されており,対応する次数付き環は可換ではないが簡単な構造を持っている.このフィルター付けが,量子微分作用素環のフィルター付けに自然に拡張できるのでけないかと思われる.そうだとすると量子微分作用素環の退化版(次数付き環)が定まるが,これに関してはコホモロジーの消滅定理などが比較的容易に示されるものと思われる.量子微分作用素環自身のコホモロジーは退化版に関する性質を用いて証明できるはずである.今後は,以上のような方針で研究を続行し,この研究の完成にこぎつけたい.
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