2007 Fiscal Year Annual Research Report
巨大な群上の調和解析に向けた確率論と表現論の融合的研究
Project/Area Number |
19340032
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
洞 彰人 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (10212200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 聡一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20224016)
楯 辰哉 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (00317299)
平井 武 京都大学, 大学院・理学研究科, 名誉教授 (70025310)
山田 裕史 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40192794)
尾畑 伸明 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10169360)
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Keywords | 調和解析 / 確率論 / 表現論 / 無限対称群 / 漸近挙動 / 指標 / 量子確率論 |
Research Abstract |
巨大な群上での調和解析の展開に向けて確率論と表現論の融合的な研究を推進することが本研究の課題である。このような調和解析の研究の拠点となりうる有効な概念の形成を目指すこと、すなわち新たな問題の探索と研究の創出を可能にするアイデアを提示することが第一の目的である。初年度である本年は、確率論と表現論の相互作用が織りなす世界を探究するため、主として具体的な対象に即した解析を重視した。中でも、以下の項目に関する研究を行い、それぞれ成果を得た。 (1)量子確率論の視点から見た漸近的表現論とグラフのスペクトル解析 (2)無限対称群および関連する無限次元群の指標の表現論的および確率論的研究 (3)環積群の既約指標・誘導指標の漸近挙動 (4)ランダム行列・行列積分の極限描像における組合せ論的構造 これらの事項はいずれも次年度以降の研究につながる内容を有しているとともに、さらに統合されてゆくべきものである。 本年度の経費により、本研究課題に密接に関係した行列積分に関する研究会を名古屋大学で開催した。数名の研究者に連続講演を依頼した課題集中型の研究会である。それに伴い、フランス人の若手研究者を招聘した。また、それとは別に研究分担者2名をポーランドとアメリカ合衆国に派遣した。これらの活動は、海外の研究グループとの連携を深めるのにたいへん役立った。 研究活動の成果は、論文や著書の形で出版したものの他に、執筆済みまたは執筆中の数本のプレプリントにも著されている。
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