2008 Fiscal Year Annual Research Report
巨大な群上の調和解析に向けた確率論と表現論の融合的研究
Project/Area Number |
19340032
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
洞 彰人 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (10212200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 聡一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20224016)
楯 辰哉 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (00317299)
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Keywords | 解析学 / 関数解析学 / 確率論 / 表現論 / 調和解析 / 表現の指標 / 対称群 / 環積 |
Research Abstract |
巨大な群上での実りある調和解析の展開を見据え、確率論と表現論の融合的な研究を推し進めることが本研究の課題である。初年度の成果を踏まえて、本年度も具体的な対象に即した解析に重きを置いた。本年度の最も主要な成果は、対称群による任意のコンパクト群の環積の(既約および可約な)指標について、対称群のサイズが無限に大きくなるときの漸近挙動を詳細に解析したこと、およびその指標の漸近挙動と無限対称群によるコンパクト群の無限環積の因子表現の指標との関係を明らかにしたことである(連携研究者等との共同研究)。誘導表現の理論をはじめとした群の表現論と、マルチンゲールやグラフ上の調和関数にまつわる確率論との両面からのアプローチが功を奏した形になった。指標の具体的な表示式の計算やサイズ無限大での漸近挙動の解析は、調和解析を展開するための礎になる。対称群からコンパクト群の環積(とくに複素鏡映群)にまで対象を一般化したことにより、新たな現象が視野に入ってくるとともに、他分野とのつながりの手がかりが一層広がったものと考えられる。これらの研究成果は、学術論文として発表した。 本年度の経費として最も大きな部分を占めたのは、研究打合せと研究発表のための旅費であった。中でも、研究分担者のヨーロッパへの派遣、および研究代表者の所属部局の博士後期課程学生のヨーロッパへの派遣等、密接に関連する海外の研究グループとの活発な研究交流を行うことができたのは、本研究課題を遂行する上で、たいへん有益であった。
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Research Products
(2 results)