2009 Fiscal Year Annual Research Report
巨大な群上の調和解析に向けた確率論と表現論の融合的研究
Project/Area Number |
19340032
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
洞 彰人 Nagoya University, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (10212200)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 聡一 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20224016)
楯 辰哉 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 准教授 (00317299)
|
Keywords | 解析学 / 関数解析学 / 確率論 / 表現論 / 調和解析 / 表現の指標 / 対称群 / 環積 |
Research Abstract |
巨大な群上での本格的な調和解析の展開を見据え、確率論と表現論の融合的な研究を推進することが本研究の一貫した課題である。群の表現の代数的・組合せ論的枠組にとどまらず、関数の漸近挙動や極限定理などの解析的な取り扱いに主眼を置いた研究を行った。表現の既約分解や因子分解のもつ統計法則の解明を中心的な課題として意識している。具体的には、無限対称群による任意のコンパクト群の環積として与えられる群の表現と指標について、それらの極小な対象の分類空間を既約表現たちの分岐グラフのマルチン境界とみなしてポテンシャル論的な考察を進める方向において、今後の研究につながるいくつかの新たな知見を得た。また、特別な興味ある場合として複素鏡映群に着目し、その表現と指標を詳しく研究するとともに、とりわけ射影表現、スピン指標に関する研究も進めた。これらは、本研究課題のもとで得た前年度までの成果を直接応用し発展させるものであり、研究に広がりを与えるという意味においても、意義ある結果であると言えよう。主要な部分は、連携研究者等との共同研究に基づくものである。 本年度の経費として最も大きな部分を占めたのは、研究打合せのための国内外の旅費である。なかでも、研究分担者のヨーロッパおよびアメリカへの派遣、連携研究者のヨーロッパへの派遣等、海外の研究グループとの活発な学術交流を行うことができたのは、本研究の遂行にあたってたいへん有意義であった。
|
Research Products
(1 results)