2008 Fiscal Year Annual Research Report
大強度陽子加速器におけるレーザー電流・電位分布モニターの開発とビーム計測研究
Project/Area Number |
19340069
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
李 成洙 High Energy Accelerator Research Organization, 加速器研究施設, 助教 (20353360)
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Keywords | 加速器 / ビーム計測 / レーザー |
Research Abstract |
平成20年度にはレーザープロファイルモニターシステムの周辺機器の製作と真空処理を行った。また、レーザー発振器の管理区域内への据え付けと光学調整を行い、測定機器の準備を実施した。 加速器初段からシンクロトロン入射部までの全域でビーム計測を継続し、J-PARC共用ビームの大強度化と高性能化に寄与した。従来型のワイヤープロファイルモニターとビーム損失モニターによるビーム測定を詳細に行い実際のビームサイズや形状、ビーム損失の評価を行った。他の加速器機器配置やビームロスによる放射化等の設置条件の最適化を諮った結果、レーザープロファイルモニターの配置として最適な場所を選定することができた。これにより接続ダクトの長さや設置方法、周辺電磁石の分割作業手順などが確定した。ビーム強度とサイズ及びビームハロー(周辺領域)の測定結果から、レーザーにより解離される電子の信号強度が推定された。これにより信号処理回路や信号ケーブルに必要とされるノイズ特性等が明らかになった。周辺機器の材料としても耐放射線性を考慮しステンレスやポリイミドなど、これまでのJ-PARC計測器開発で実績のある素材を選定した。検出器対抗面には2次元測定を実現する為の多チャンネルマルチチャンネルプレートを利用した新規検出器が整備されている。さらに高時間分解測定を実現するため蛍光測定方式を採用し専用のCCDカメラを使用する予定である。これによりビームパルス毎の2次元測定が期待できる。効率的かつ直接的に2次元分布データを処理するための画像解析ソフトウェアを購入しプログラミング作業を開始した。ここまでの成果により検出器と電子収集用電磁石及び較正試験用ワイヤープロファイルモニター導入系を一体化したコンパクトな測定システムを製作する事ができた。真空性能についても試験・検査を実施し超高真空環境下で使用可能な計測システムの製作を行った。
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