2007 Fiscal Year Annual Research Report
2300K超高温度に於いても高温損傷のないハイブリッド型長寿命炭素フォイルの開発
Project/Area Number |
19340072
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
菅井 勲 High Energy Accelerator Research Organization, 加速器研究施設, 研究員 (80150291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 康弘 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 技師補 (70391745)
高木 昭 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 講師 (10100819)
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Keywords | HBC-フォイル / 大強度陽子加速器 / 炭素フォイル / ボロンカーバイド / ストリッパーフォイル |
Research Abstract |
本研究の目的頂ある2000K以上の高耐熱性HBC(ハイブリッド型ボロンドープドカーボン)-フォイルを作成するため、 1)水冷式傾斜型アーク蒸発源を制作した。この蒸発源のカソード電極からの100V,500Aの大炭素イオン電流によりアノード電極のソケットおよびその周辺部材が700℃以上の高温度になるため両電極の水冷効果を高めるため冷却パイプを6Φから10Φに太くした。 2)タンタルヒーターの輻射加熱により蒸着膜のストレスを除き、かつガラス基板からフォイルを剥離するためセラミック型アニール装置を制作した。フォイルのピンホール形成は加熱温度に非常に敏感であるため蒸着基板全体が等温度になるセラミック基板は非常に有効であった。 3)製膜した厚さ平均300ug/cm2のフォイルはリボン型にして径10ミクロンのSiCファイバーで両面をサンドイッチ型にしてターゲットホルダーに取り付けた。フォイルの寿命並びに高温損傷(変形、膜厚減少、ピンホール)け東工大理の3.2MeVのバンデゲラー加速器のネオンイオンビームとKEK-PS12 GeVの前段加速器の650KeVのコッククロフト加速器の負水素イオンビームを用いて測定した。 4)HBC-フォイルの高温損傷は1800K以上から顕者になることが判った。寿命は市販の炭素フォイルの平均50倍以上を記録した。市販のフォイルは1300Kで短時間に破損した。 5)ビーム照射有無のフォイルの構造分析をラーマンレーザー分析法により測定した。測定サンプルは神戸製鋼所のマイクロダイヤモンド、米国SNS/ORNLのナノダイヤモンドそれに市販の炭素フォイルを用いた。この分析からSNS/ORNLの破損したナノダイヤモンドは1800Kの高温度でグラファイトに転移しダイヤモンドとグラファイトの両結晶構造のスペクトルが観察された。HBC-フォイルは照射なしでは明らかなアモルファス構造であるが1800Kの高温度ではグフファイト構造に転移していることをスペクトル分析から観測できた。
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