2009 Fiscal Year Annual Research Report
キラル官能基を有する光学分割剤の開発とそれらのキラル識別能・識別機構
Project/Area Number |
19350064
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西郷 和彦 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (80016154)
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Keywords | キラルリン化合物 / キラル窒素化合物 / 光学分割 / キラリティー識別能 / 分子長原則 / ハロゲン相互作 |
Research Abstract |
キラルなリン化合物及び窒素化合物の光学活性体を用いて,以下の結果を得た。 1.光学活性な環状0-アルキル アリールチオホスホン酸を用いたラセミの脂肪族アミン類あるいはアミノアルコール類のジアステレオマー塩法による光学分割において,分割成績が,我々の主張している分子長原則に従うことを明らかにした。 2.塩素置換アリール基を有する光学活性チオホスホン酸による1-(4-ハロアリール)エチルアミン類の光学分割において,ハロゲン相互作用が分割結果に大きな影響を与えることを見出した。 3.ジベンゾアザノルボルナンのN-位と3-位をアルケニレン橋で架橋した化合物をメタセシス反応を鍵皮応とする経路によって合成し,キラルHPLCによって単一異性体の単離に成功した。当該化合物はゆっくりとラセミ化するものの熱力学的に極めて安定であり,120℃においても存在比が99.68%であることを明らかにした。N-キラル化合物としての活用が期待される。
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