2008 Fiscal Year Annual Research Report
ハロゲン化多環芳香族炭化水素の発生源と発生機構に関する研究
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19350076
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
雨谷 敬史 University of Shizuoka, 環境科学研究所, 准教授 (10244534)
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Keywords | ハロゲン化多環芳香族炭化水素 / GC / MS / 負化学イオン化 / 塩化ビニリデン / 発生源 / 焼却処理 |
Research Abstract |
平成20年度は、ハロゲン化多環芳香族炭化水素(PAH-X)の分析法について検討するとともに、塩素系プラスチックを電気炉内で燃焼し、生成物を分析する手法の開発を行う計画を立てた。まず、PAH-Xの分析法については、負化学イオン化GC/MS (GC/MS/NCI)を用いて、分析行った場合の検出下限値について検討した。ナフタレンの塩素化体についても検討した。この結果、環数が同じPAHでも、検出下限値が2桁以上ことなることがあることが判り、GC/MS/NCIと電子衝撃イオン化GC/MSの併用により、生成物の構造をより詳細に検討しうることを見いだした。次に、電気炉内での燃焼法について検討した。電気炉内にサンプルを入れ、昇温する手法では、目的温度に達する前にサンプルプラスチックがすべて揮発、分解する場合があることが判った。食品用ラップの場合は、200℃程度ですべて揮発・分解した。そこで、電気炉、石英管をあらかじめ800℃に加熱しておき、そこにサンプルを挿入する手法をとることとした。また、ハロゲン数の多いPAH-Xについては、精製してハロゲン化された位置まで決定することが困難であったことから、PAHを十分にハロゲン化し、その混合試料を分析して、その結果と比較することで、どのPAHのハロゲン化体が生成するかを調べることとした。この結果、5ハロゲン化PAHまで生成を確認すると共に、それより多くハロゲン化されたPAHが生成していないことを明らかにした。
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