2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体内リン酸アニオン種の機能解明を目指した蛍光プローブ群の創製
Project/Area Number |
19350085
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
王子田 彰夫 Kyoto University, 工学研究科, 講師 (10343328)
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Keywords | 蛍光プローブ / リン酸アニオン / バイオイメージング / 蛋白質 / 分子認識 |
Research Abstract |
当該年度では、本研究における3つの各項目において以下のような研究の進捗がみられた。 (1)情報伝達物質としての細胞表層ATPの定量的検出 申請者がすでに見出しているキサンテン型蛍光プローブの大きな蛍光強度上昇を伴う特異な蛍光センシングメカニズムについて、本プローブのX線結晶構造解析に成功し、UVおよび蛍光分光測定による解析と合わせて、ほぼ完全に明らかとすることに成功した。また、キサンテン型プローブの生物学的研究への応用として、(i)糖転移酵素による糖鎖形成反応の蛍光によるリアルタイム追跡、(ii)細胞内ATP顆粒の特異的蛍光検出、について検討した。(i)については非常によい結果を得るに至った。(ii)については現在も引き続き検討中であるが、目標をほぼ達成しつつある段階にある。 (2)脳内リン酸化タウタンパク質凝集体の特異的蛍光検出 BODIPY型プローブの脳内ハイパーリン酸化タウタンパク質凝集体の染色について、いくつかのコントロール実験を行い染色の特性性等についてさらに明確な検証を行った。また、染色時におけるバックグラウンド蛍光の低減を目指して、水溶性に高いBODIPY型プローブ誘導体の合成を行った。予想に反して良好な結果が得られなかったことから、今後さらに大きな構造変換を行い物性改善を計る必要性があることが明らかとなった。 (3)ハイブリッド型バイオセンサーによるリン酸化タンパク質の選択的蛍光検出 研究計画と一部変更を行いリン酸化タンパク質ドメインとしてCBPではなく、以前より研究を行っていたWWドメインのハイブリッド型センサーについてさらに検討を進めた。得られたバイオセンサーはWWドメインの基質となるリン酸ペプチドを配列選択的に認識して蛍光センシングするが、さらにこの機能を用いてキナーゼによるリアルタイムな蛍光反応追跡に成功した。
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