2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体内リン酸アニオン種の機能解明を目指した蛍光プローブ群の創製
Project/Area Number |
19350085
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
王子田 彰夫 Kyoto University, 工学研究科, 講師 (10343328)
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Keywords | 蛍光プローブ / リン酸アニオン / バイオイメージング / FRET / レシオ検出 / キナーゼ |
Research Abstract |
(1)FRET二波長変化型蛍光プローブによる細胞内ATPの検出 これまでに開発を行ってきたoff/on型の蛍光センシングモードを有するキサンテン型蛍光プローブを改良し、新たにFRET二波長変化のセンシングモードを有する蛍光プローブの開発と細胞内ATPのレシオ検出への応用についで検討を行った。キサシテン型蛍光プローブにFRETドナーとしでクマリンを導入した蛍光プローブけ、ATPなどのヌクレオシドポリリン酸と相互作用することにより、FRETに伴うクマリン蛍光に減少とキサシテン蛍光の増大の二波長変化を起こすことが明らかとなった。この二波長変化型蛍光プローブを細胞内に導入し、細胞内ATPを枯渇させると、二波長レシオ値(キサンテン蛍光/クマリン蛍光)の減少が観察された。様々なコントロール実験などから、この変化は細胞内ATP濃度の低下を蛍光レシオ変化で読み出している可能性が強く示唆された。これまでに二波長変化でATPを読み出せる小分子プローブは数例しか報告されておらず、本プローブの新規性は高い。また、小分子プローブを細胞内ATP濃度変化の検出に応用できた例は、これでに全く無く、本成果は重要を意義を持つと思われる。 (2)BODIPY型プローブによるキナーゼ反応の蛍光モニタリング BODIPY型プローブを用いてキナーゼGSK3βのリン酸化反応を蛍光変化によりリアルタイムで読み出すことのできることを明らかとした。GSK3βは、アルツハイマー病や糖尿病に対する創薬ターゲットとして注目されており、このようなアッセイ系は今後、阻害薬スクリーニングなどに有用であると考えられる。
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