2007 Fiscal Year Annual Research Report
フルオロアルキル基を有するアゾ色素の開発と単分子膜型分子メモリーへの応用
Project/Area Number |
19350097
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
川瀬 徳三 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 教授 (60152956)
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Keywords | アゾベンゼン色素 / フルオロアルキル基 / Methyl Yellow / 単分子膜 / 表面圧-面積曲線 / 表面張力 |
Research Abstract |
平成19年度は、新規なアゾ色素の分子デザインおよび合成における出発物質・合成ルートなどの検討を中心に行った。まず、本研究の中心となる、含フルオロアルキルアゾ色素の合成に欠くことのできない4-位にパーフルオロアルキル基(C_3F_7〜C_8F_17の直鎖フルオロアルキル基、C_3F_7(OCF_2CF_2)nなどのパーフルオロポリエーテル基)を導入した各種アニリンを合成するルートを確立した。 これを出発原料に、ジアゾ化およびカップリングによりMethyl Yellow型の含フルオロアルキルアゾ色素を各種合成し、界面材料としての基本物性を測定した。 1)水溶性タイプ(界面活性の検討) COOH基を導入した含フルオロアルキルアゾ色素はかなり親水性が高く、特に、COO-(NaやK塩)は、(1)フルオロアルキル基、(2)アゾベンゼン構造の2つを分子内に持った新規な界面活性剤となることが判った。現在、光散乱測定により会合体(ミセル)の形・サイズなどを検討中である。 2)非水溶性タイプ(単分子膜としての検討) 本研究で開発したアゾ色素の表面圧-面積曲線を測定した結果、表面におけるアゾ色素のパッキングにおよぼすフルオロアルキル基の影響が明らかになってきた。現在、さらに購入したブリュースター顕微鏡(BAM)による表面観察を行っており、フルオロアルキル鎖長と形成される単分子膜構造との相関を解析し、フルオロアルキル基の重要性ならび会合への効果を検討中である。 得られた基礎的界面物性をもとに、フルオロアルキル基の影響・親水基の影響・化学構造との相関などについて明らかにし、次年度以降の展開における最適な分子デザインの基礎データとする。
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