Research Abstract |
本課題の目的は,広いダイナミックレンジ,高い検出感度など,極めて優れた特長を有しているヘテロダイン検出法と,CT(Computed Tomography)の技術を組み合わせた「THzヘテロダインCT法」を開発し,高感度・高精度の透過型および反射型THzイメージング技術を確立することにある.これに関連する新しいイメージング技術として昨年度提案した,被写体内部の奥行き情報を観測するトモシンセシス撮像法の技術の確立も目指した.平成20年度は,主として下記の4項目に関して,撮像特性の評価ならびに検討を進めてきた. (1)透過型THzヘテロダインCT,および(2)反射型THzヘテロダインCT 最適な実験系を目指し光学系の試作を重ね,実験系のダイナミックレンジや検出感度などの基礎的撮像特性の評価を行ない,イメージングに成功するまでに至っている.しかし,これらの評価の過程で,データ取得やアルゴリズムの問題点,ならびに機械的問題点が多数見いだされた.現在解決を目指し改良を加えているところである. (3)THzトモシンセシスイメージング トモシンセシスによる撮像法を,実験データを取得しながら評価を進めてきた.また,トモシンセシス法の画像処理アルゴリズムの改良と,最適な光学系の検討も進めてきた.さらに,本撮像法では撮像時間および画像処理時間に多大な時間を要していたが,これらを解決するため大幅な短縮を進めてきた. (4)測定対象物とニーズの調査 品質管理や製品検査などの分野で,製品内部の欠陥を画像により診断することを目標としている.実験では,工業製品を中心に混入物や形状が既知の試料(紙,木材,プラスチックやゴム製品など)を用いて実験を重ね,撮像特性の評価を進め,その有効性を確認した.同時に,応用の可能性としてニーズの調査を進めた. 上記実績から,平成20年度は学会発表3件の成果となった.
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