2008 Fiscal Year Annual Research Report
超電導-金属膜積層構造の高度設計に基づく抵抗型限流素子の高電力密度化に関する研究
Project/Area Number |
19360126
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大崎 博之 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (10203754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関野 正樹 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教 (20401036)
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Keywords | 超電導 / 電力工学 / 電磁現象 / シミュレーション工学 / 限流器 / イットリウム系 / 有限要素法 / SN転移 |
Research Abstract |
電力系統に短絡事故等が発生したときに流れる過大な電流を瞬時に抑制する限流器として,高温超電導薄膜を用いた抵抗型の限流器の研究を行ってきた。その限流器を構成する超電導薄膜限流素子の単位面積当たり容量の増大を目指して,超電導薄膜とその上の金属保護膜のパターニングや厚さ等に関する検討を行い,さらに超電導特性の不均一性が限流特性に与える影響について数値解析を中心に調べた。まず,超電導限流素子の特性解析と設計のために使用する電磁界・熱伝導場・電気回路の連成現象解析用数値解析ツールに関しては,非線形計算の高速化,収束性の向上を目指して検討を行い,ある程度の成果は得られたが,解析条件に依存するところも大きく,効果としては限定的であり,さらなる改良が必要と考えている。一方,計算環境としてのコンピュータの性能向上の影響は大きく,より複雑なモデリングに基づく解析も可能となった。この数値解析ツールを利用して,素子パラメータと限流特性の関係を解析し,関係を整理した。限流過程で電流経路が大きく変化するような金属保護膜形状の場合には,解析上は良好な限流特性が得られるが,局所的かつ過渡的に発生する電界の大きさもかなり大きく,実際に安定な限流特性を実現するためには,その低減が必要であることが明らかとなった。限流実験で各物理量の面内分布を過渡的に観測するのは困難であるが,マクロな特性からは数値解析と同様な傾向が見られた。また,定常時および限流時の電流の経路および転流の過程を観測するための測定法についての検討も実施し,定常時については実験的確認および誤差評価等を行った。さらに,数値解析をベースに定常時損失の見積もりも実施した。
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Research Products
(3 results)