2007 Fiscal Year Annual Research Report
仮想アンテナアレーによる送信ビーム形成を用いた高信頼度無線通信に関する研究
Project/Area Number |
19360168
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小川 恭孝 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (70125293)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大鐘 武雄 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (10271636)
西村 寿彦 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (70301934)
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Keywords | 移動体通信 / 協調無線 / アンテナアレー / MIMOシステム / アレー信号処理 / キャリア周波数オフセット / サウンディングパケット |
Research Abstract |
複数の端末が互いに協力し合う仮想アンテナアレーによるMIMOシステムを用いて信頼度の高い通信を行うことを目的として本年度は以下の成果を得た。 1.MIMO伝搬現象の解明 MIMOシステムの特性は,電波伝搬現象に依存するところが大きい.本研究では実伝搬環境での2×2,4×4のMIMO伝搬特性をベクトルネットワークアナライザを用いて測定した. 測定値を基に送受信機双方が固定されている,時間的に変動しない環境について,各チャネル間の受信電力の累積分布,各受信アンテナ間のフェージング相関,固有値の累積分布を求めた.次に測定されたチャネルを用いて計算機シミュレーションにより準静的環境における固有ビーム空間分割多重(E-SDM)方式の誤り率を明らかにした. 更に,受信端末が移動している時変動フェージング環境のチャネルデータを取得して,チャネルの自己相関関数とドップラースペクトルを明らかにするとともに,時変動チャネルにおけるE-SDM方式の誤り率を最大ドップラ一周波数をパラメータとして求めた. 2.端末間の周波数オフセット補償 仮想アンテナアレーにおいては,上り回線のサウンディングパケットにより推定されたチャネルを用いて最適な送信ウエイトを基地局からフィードバックしても,各端末が独立な発振器で動作しているため,実際に信号を送信するときにはウエイトに位相誤差が生ずることになる.この問題を解決するために複数のサウンディングパケットを用いてチャネル推定を行い,その位相回転量から各端末の周波数オフセット量を求め,端末はその値を用いて位相補正を行いながら信号を送信する方式を提案した.その推定精度を高めるために,短時間の粗推定と長時間の精密推定を組み合わせることを提案し,計算機シミュレーションによりその有効性を明らかにした.
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Research Products
(4 results)