2007 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷地沿岸コンクリート構造物の環境影響評価と耐久性評価のための統合化モデルの開発
Project/Area Number |
19360193
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
杉山 隆文 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (70261865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 和紀 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60187474)
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Keywords | フライアッシュ / 塩化物イオン浸透 / 凍結融解作用 / X線CT法 / 実構造物 |
Research Abstract |
寒冷地沿岸コンクリート構造物のライフサイクルを通じた環境負荷評価技術と劣化予測技術を融合することで,環境性と耐久性を重視した健全度評価技術を開発することを目的としている.これを具体化するため,リサイクル資源としての石炭灰を用いて,寒冷地沿岸域における気象,環境条件を踏まえながらコンクリート構造物の耐久性に及ぼす影響を実験的に明らかにする.石炭灰は,火力発電所の稼動により排出される産業廃棄物であり,処分場の逼迫など環境側面から石炭灰の有効利用が要請されているものである。 対象地域が寒冷地沿岸であることから,コンクリート構造物の塩害と凍害に着目して研究を行った。塩害は,塩化物イオン浸透性,鉄筋腐食の把握が重要であり,室内塩水浸漬実験を行った。塩分浸透性については,これまで室内環境下で長期間継続してきたコンクリート供試体を用いた分析とそれに基づく考察を行った。これに加えて,リファレンス供試体として温暖地域でフライアッシュコンクリートを用いた実構造物の調査を行った。いずれも,フライアッシュの混和に伴い塩化物イオン浸透性は抑制され,耐久性向上に役立つものと推察された。鉄筋腐食は,自然電位のモニタリング法を構築して,適宜交流インピーダンスを測定する研究を開始した。 凍害環境下での凍結融解抵抗性を調べるために,フライアッシュAEコンクリート,フライアッシュNon-AEコンクリートを作製して,凍結融解試験を行った。新しい測定方法の開発を目的に,X線CT法による空気泡分布,ひび割れ状況を観察した。 コンクリート中のイオン種同時輸送モデルの応用研究として,塩化物イオンとカルシウムイオンの同時拡散について研究した。
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Research Products
(4 results)