2009 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷地沿岸コンクリート構造物の環境影響評価と耐久性評価のための統合化モデルの開発
Project/Area Number |
19360193
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
杉山 隆文 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (70261865)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志村 和紀 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60187474)
|
Keywords | フライアッシュ / 腐食発生限界塩化物イオン濃度 / 凍結融解作用 / X線CT法 / イオン同時輸送シミュレーション / カルシウム溶出 / 空隙 / 鉄筋腐食モニタリング |
Research Abstract |
凍結融解作用,塩害,カルシウム溶出によるコンクリート構造物の性能低下に着目して,各劣化機構のより定量的な解明を目指して研究を実施した.また,環境負荷低減の観点から,セメントの一部代替で用いるフライアッシュを混和したコンクリートの性能を普通コンクリートと比較した.塩害に関しては,鉄筋腐食発生限界塩化物イオン濃度を定量化するための実験を継続して行い,普通ポルトランドセメントを用いた場合は現行の1.2kg/m^3と比較して大きくなることを確認した.一方で,鉄筋とコンクリートとの界面に欠陥が生じていると,この濃度は低下することを明らかにした.フライアッシュコンクリートは,塩化物イオン浸透性は著しく小さいことを確認して,得られたデータの範囲内においては,普通コンクリートと大きな差異はないことを示した. 凍結融解抵抗性はコンクリートの微細構造における空隙構造と密接に関連することから,引き続きX線CT装置を用いた機構の定量的な解明および新しい評価手法の開発を念頭に実施した.フライアッシュコンクリートについては,適切に化学混和剤を混入することで空隙構造は改善されて,その結果耐凍害性は向上することを示した.また,カルシウム溶出は水と接することで生じるが,長期耐久性を考える上で重要である.空疎化した空隙構造を定量化するために,放射光X線CT法により研究を実施した. 統合化モデルを構築する上で劣化シミュレーションツールを高度化した.これにより,塩化物イオン浸透とカルシウム溶出を伴う複合劣化を考慮できる解析ツールを開発した.
|
Research Products
(5 results)