2008 Fiscal Year Annual Research Report
挙動のあるひび割れに対する外壁補修工法選定技術と補修効果検証技術の確立
Project/Area Number |
19360250
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大久保 孝昭 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (60185220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 郷史 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30467766)
松本 慎也 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30325154)
長谷川 拓哉 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30360465)
李 柱国 山口大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50432737)
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Keywords | ひび割れ / ひび割れ挙動 / 補修材料 / 補修工法 / 工法選定システム / 補修効果検証 / 物性試験 / 促進試験 |
Research Abstract |
本研究は鉄筋コンクリート造および木造建築物の外壁のひび割れ補修を対象として、合理的なひび割れ補修工法の選定システムのプロトタイプと現場における補修効果の検証技術を確立することを目的としている。本年度は補修材の評価試験を実施し下記の成果を得た。 (1)ひび割れ挙動の実測より、貫通ひび割れは、室内側と屋外側の開閉は逆転しており、曲げ挙動のような開閉を繰返していることを明らかにした。 (2)上記(1)の挙動を実験室内で再現する方法として、コンクリートを補修材で一体化した試験体を(1)繰返し曲げ、(2)赤外線照射の劣化外力を与える試験方法を提案し、各種補修材の性能評価試験を行った。その結果、現在汎用されている補修材の中には、これらの劣化外力により補修効果が低下する材料があった。 (3)上記(2)の試験方法に加えて、キセノンウェザーメーターによる促進暴露試験、スプレー式による気中凍結・気中融解試験を合わせて行い、現在汎用されている補修材のほとんどが、これらの劣化外力により急激に補修効果を失うことを明らかにした。 上記の試験結果をもとに、建築物の立地環境、補修する外壁の方角や高さを考慮した上で、補修工法を選択することの重要性を示すとともに、いくつかの補修材ではその適用範囲を明確にすることができた。本成果は最終成果である目的指向型の補修材・補修工法選定技術を確立するための土台となるものである。
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