2007 Fiscal Year Annual Research Report
軟弱地盤に建設する高い減衰性能を有した環境に貢献する複合基礎の開発
Project/Area Number |
19360254
|
Research Institution | Nihon University Junior College |
Principal Investigator |
下村 幸男 Nihon University Junior College, 建設学科, 教授 (00060179)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 政史 日本大学短期大学部, 生産工学部, 教授 (80059849)
酒句 教明 日本大学短期大学部, 建設学科, 助手 (00435273)
|
Keywords | 軟弱地盤 / 複合基礎 / 産業廃棄物 / 建設副産物 / 減衰性能 / 地震応答 / 動的相互作用 / シミュレーション解析 |
Research Abstract |
本研究初年度は,下記の3つのサブテーマについて研究を実施した。得られた主な成果は次の通りである。 (1)繰返し三軸試験機の整備および実験 透水試験に用いていた既存の三軸セル室を繰返し挙動が可能な三軸試験機に転用するための整備を行い,ダミー供試体を用いて試験機の性能の確認を行った。続いて,木片チップを骨材ベースとした植栽用減衰ブロックを想定した供試体の調配合を行い,力学特性を把握するために多くの試験体に対し繰返し三軸試験を実施した。本試験から得られた主な知見は,つなぎ材にアスファルト乳剤を用いると高減衰が得られること,混合物の種類の選択や養生日数および材料密度の管理が重要となる,などである。特に再生微粒分を混合材に用いると,地盤材料として良好な強度,剛性および地震に対して有利となる高減衰性能が得られた。なお,実験を通して,今後に検討する必要のある実験パラメータ(リサイクル率の悪い混合材の使用,長い養生期間および拘束圧依存性等)については,次年度に対応する予定である。 (2)複合基礎全体を対象とした動的相互作用に関する予備計算 平成15年度〜18年度の科学研究費補助金(課題番号15360303)で実施した基礎ブロックの加振実験のシミュレーション解析結果を見直すと共に,実大規模の構造物を想定した地震応答解析を3次元動的解析ツールにより実施した。その結果,開発を目指している減衰材の有効性が示唆される結果が得られた。しかしながら,基礎外周部に配置を計画していた入力低減基礎梁は,逸散減衰を低減させ,逆効果になる可能性のあることが判明した。 (3)軟弱地盤域における土質データの収集 次年度以降実施予定の軟弱地盤域の常時微動測定のための準備として,東京都および千葉県内の47箇所の土質調査報告書を精査した。その結果,軟弱地盤域での常時微動測定に適した場所の選定が可能となった。
|