2008 Fiscal Year Annual Research Report
文化と景観およびその保護手法の研究-信仰に関わる文化的景観の調査・分析
Project/Area Number |
19360283
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
稲葉 信子 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (20356273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 英俊 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (30271589)
黒田 乃生 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (40375457)
平賀 あまな 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 研究員 (90436270)
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Keywords | 文化的景観 / 世界遺産 / 景観保全 / 文化政策 / 無形遺産 / 文化遺産 / 世界無形文化遺産 |
Research Abstract |
本研究は、文化と景観およびその保護手法の研究として、信仰に関わる文化的景観について調査・分析を行うものであり、第2年度である平成20年度は下記の調査・研究を行った。 1)信仰に関わる文化的景観保護制度の研究:文化的景観として登録された世界文化遺産の顕著で普遍的な価値とその内容、保存状況について、初年度に継続して、ユネスコ世界遺産委員会やイコモスなど国際機関から情報を収集し、分析をおこなった。 2)各国の信仰に関わる文化的景観保護の事例調査:平成20年度は、世界遺産一覧表に登録されている文化的景観であるモンゴル国「オルホン渓谷の文化的景観(Orkhon Valley Cultural Landscape)」及びトーゴ共和国「クータマクー、バタマリバ人の土地(Koutammakou,the Land of the Batammariba)」について現地調査を行った。平成19年度と同様に、当該遺産の文化と宗教観、空間の理解に重点を置いて、特にその遺産にとっての重要な要素(聖域)の価値の理解とそれが具体的にこれまでどのように守られ、信仰の対象とされてきたのかについて、調査研究を行った。またいずれの遺産も優れた無形文化遺産としての価値を持つとも認識されている遺産であり、有形文化遺産と無形文化遺産の保護手法の違いに着目しての調査も行った。 3)目本の信仰に関わる文化的景観保護の事例調査:平成20年度は日本で今後保護の対象となり得ると考えられる多様な信仰に関わる文化的景観の価値とその保護手法について研究をおこなった。富士山を事例に山岳信仰である文化的景観について、また長崎のキリスト教会堂群を事例に異文化における宗教の受容の過程を伝える文化的景観の価値とその保護手法について調査・研究を行った。
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