2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19360306
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鵜飼 重治 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (00421529)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大貫 惣明 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10142697)
大塚 智史 (独)日本原子力研究開発機構, 次世代原子力システム研究開発部門, 研究員 (90421528)
皆藤 威二 (独)日本原子力研究開発機構, 次世代原子力システム研究開発部門, 副主任研究員 (30421530)
|
Keywords | 超微細粒 / 微細結晶粒強化 / 酸化物分散強化 / ハード粒 / ソフト粒 / 複合材料 / 降伏応力 / 分散パラメーター |
Research Abstract |
マルテンサイト変態が生じる成分系を選定し、遊星型ボールミルを用いてFe-9Cr-2W-0.2Ti-0.35Y_2O_3(mass%)を基本組成として、炭素濃度が0.03と0.13mass%からなるメカニカルアロイング(MA)粉末を作製した。このMA粉末の昇温過程での示差熱分析(DTA)とX線回折実験より、Y_2O_3粒子はMA過程で分解した後、1,000℃以上の温度で酸化物粒子として析出することを確認した。また、析出した酸化物粒子を高分解能電子顕微鏡を用いて観察し、直径が10nm以下のナノ粒子であることを確認した。 ナノインデンテーターによるナノ領域の硬さ測定を行い、本成分系において、硬い結晶粒(ハード粒)と軟らかい結晶粒(ソフト粒)から成る複相組織が形成され、酸化物分散強化複合材料が出来ていることを確認した。炭素濃度が0.13mass%の場合には、ハード粒は非平衡的に生成する残留α相であり、炭素濃度が0.03mass%では平衡δ相であることを、計算状態図による解析及びナノ酸化物粒子によるα/γ異相界面のピン止め力の解析から明示した。 ハード粒は超微細粒で構成されていることを見出し、これによる結晶粒微細化強化のレベルを定量評価した。また、高分解能電子顕微鏡により測定した酸化物粒子の分散パラメータから酸化物分散強化レベルを導出した。ナノインデンターで測定したハード粒の硬さから室温での降伏応力に換算し、この降伏応力は酸化物分散強化よりも結晶粒微細化強化により支配されていることを定量的に明らかにした。このような酸化物分散強化複合材料の強化に寄与する超微細粒の形成機構にっいても、MAによるナノ結晶の生成と焼鈍に伴う再結晶・粒成長の観点から検討した。
|
Research Products
(5 results)