2008 Fiscal Year Annual Research Report
地下水流動を考慮した群杭を用いた季節間蓄熱システムの実用化
Project/Area Number |
19360407
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤井 光 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (80332526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 洋平 産業技術総合研究所, 地圏資源環境研究部門, 主任研究員 (90356577)
永井 二郎 福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70251981)
糸井 龍一 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50108768)
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Keywords | 地中熱利用 / 蓄熱 / 融雪 / 地下水 / 数値シミュレーション / 水質分析 / GIS |
Research Abstract |
福井市内幸橋の季節間蓄熱を用いた融雪システムは平成20年2月に運転を開始し,地中温度,路面温度,消費電力,融雪システム稼働状況などを収集中である。現在までに,これら測定データを用いた分析より群杭を用いた融雪システムの高い省エネルギー効果が示されている。また,融雪システムの設計に基づいて数値シミュレーションモデルを構築し,測定データと解析結果とのヒストリーマッチングによりモデルの妥当性を検証した。同じく福井市内の管設備業組合駐車場と新清永橋での季節間蓄熱を用いた融雪システムについても数値シミュレーションと過去に得られた計測データのヒストリーマッチングを継続している。 上記研究項目と並行して,福井平野における広域的地下水流動系を解明するため,福井平野および周辺山地において収集した地下水フィールド調査データの解析を行なった。その結果,福井平野における浅部地盤の温度勾配および地下温度は平野中心部に向かうに従い増加し,地下水は平野周辺部から中心部に向かって流動していることが推定された。また,一般水質分析および同位体分析結果より,福井平野の地下水は比較的滞留時間が短く,平野部にも涵養域があることが示された。 次に3次元地下水流動・熱移流シミュレーションソフトFEFLOWを使用して福井平野全域を対象とした広域的な3次元地下水流動・熱移流シミュレーションモデルを作成し,測定データとのマッチングを行なった。作成した広域シミュレーションモデルより得られた地下水位及び鉛直温度プロファイルは実測データと精度良く一致し,モデルの妥当性が示された。今後はシミュレーションモデルより得られた福井平野全体の地下水流速,温度の分布および福井平野の土地利用状況,地質などに基づいて,同平野における地中熱利用システム設置適地図を地理情報システム(GIS)を用いて作成する予定である。
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Research Products
(5 results)