2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経・知能系を有する自律安全原子力エコ・エネルギー供給システム
Project/Area Number |
19360421
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
奈良林 直 Hokkaido University, 大学院・工学研究科, 教授 (10419947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島津 洋一郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60312378)
辻 雅司 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70091478)
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Keywords | 地域共生 / 原子力熱エネルギー供給システム / 可視化モデル / 長距離給湯システム / エコエネルギー供給システム / 神経・知能系 / 予兆検知シミュレータ / ニューラルネットワーク |
Research Abstract |
原子力システムの立地では、立地地域における住民の同意が重要な因子となる。本研究ではまず、スイスにおける原子力熱エネルギー供給システムの調査の北海道での地域住民への紹介および熱エネルギー需要調査から開始した。平成19年度は、道南の函館市近くの木古内町、道東の美幌町・遠軽町で「エネルギーと環境」と題して講演を行い、地球環境保全にとって原子力が重要な役割を果たすことを説明した。特に木古内町ではスイスでの先行事例に興味を持ち、石油の高騰下において北海道経済が地盤沈下防止の観点からも町に熱供給用の原子炉を建設したいとの要望も出た。そこで、住民の要望や地域の要求を満たすシステムについての概念形成を地域住民と共同で検討を行い、その要求に沿った最適なシステムを明確にするため、原子炉の炉心および蒸気発生器をガラス製の容器で製作し、格納容器内を可視化して蒸気タービンが発生した蒸気で発電する小型の可視化モデルを製作した。また、スイスで行われているような長距離の給湯パイプラインの性能評価をするために、厳冬の降雪中でモデルパイプを用いた試験を行い、長距離熱輸送の解析評価を行った。このようなシステム設計と地域住民にもわかりやすい要素実験を行う事により地域共生に貢献できる原子力システムを提案しており、地元のマスコミでも記事が掲載された。平成19年度に実施した研究項目は以下の2つである。 1)神経・知能系を有する原子炉機器の開発と予兆検知シミュレータ実験 2)高性能堅牢な熱交換器および長距離給湯システムによる熱輸送試験 上記の可視化モデルや熱輸送試験に加え、神経・知能系を有する原子炉機器の開発についてはニューラルネットワークを用いた異常検知のソフトウエアを作成し、予兆検知供試体を製作した。
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Research Products
(2 results)