2009 Fiscal Year Annual Research Report
任意の応答関数を持たせることが可能な中性子測定器の開発
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19360425
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
瓜谷 章 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (10213521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原野 英樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 主任研究員 (60302775)
松本 哲郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (70415793)
渡辺 賢一 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30324461)
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Keywords | 中性子 / ロングカウンター / 応答関数 / レムカウンター / 位置敏感型比例計数管 / 減速材 / 中性子の減速 / 重み係数 |
Research Abstract |
本年度は、平成20年度に開発した球形減速材を用いた中性子検出器の改造と単色中性子場における特性試験と、これと並行して平成19年度に開発したロングカウンター方式の中性子検出器の応答関数を平坦化する手法の改良とをおこなった。 前者については、昨年度に試作した球形レムカウンターについて、必要な改造と、基礎特性試験を行った。まず初めに、熱中性子検出器であるHe-3位置敏感型比例計数管について、放電を抑制する工夫をした。また、熱中性子に対する波高分布として、通常のHe-3検出器のものとは異なる形状のものが観察されたが、これは計数管の極細構造に起因する顕著な壁効果事象の発生によるものであることを明らかにした。また、京都大学原子炉実験所臨界集合体実験装置おいて、本球形検出器に14MeVの単色中性子を照射し、その応答特性を実験的に評価した。 後者については、本研究の中心をなす、重み付積算法に関するものである。昨年度までは、検出器内の各位置における検出数に対する重みを計算するのに、単純最小二乗法とニューラルネットワークを用いる方法を検討してきたが、いずれも完全平坦とするには問題が残っていた。今回採用した方法は、多重重み付最小二乗法と呼ぶものであり、各エネルギー、各検出位置での検出数を一つの値のみとせず、モンテカルロ計算におけるシードを意図的に変化させて、複数の組み合わせの入力情報を用意し、これらを用いて各位置の重みを算出することに基づくものである。各位置での検出数に、各位置の重みを乗じて積算することにより、ほぼ完全に近い平坦応答を得ることができた。特に単純最小二乗法では顕著に見られた振動を、完全に抑えることができた。
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Research Products
(1 results)