2008 Fiscal Year Annual Research Report
イネスターチシンターゼアイソザイムを用いたテーラーメイドデンプンの創製
Project/Area Number |
19380007
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
藤田 直子 Akita Prefectural University, 生物資源科学部, 准教授 (90315599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 紀美子 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (10281007)
阿久澤 さゆり 東京農業大学, 応用生物科学部, 准教授 (60256641)
花城 勳 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (30336325)
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Keywords | デンプン / アミロペクチン / スターチシンターゼ / イネ / 変異体 / 組換体 / アミロース |
Research Abstract |
今年度は、既に確立した以下の材料について、生理生化学的解析および蓄積するデンプン等αグルカンの構造および物性解析等を集中的に行った。 1.超高アミロース米が期待できるズターチシンターゼI型(SSI)とSSIIIa変異体を交配したF_2種子から、両親とは異なって種子全体が白濁した種子が検出された。これらには、SSI遺伝子座が劣性ホモでSSIIIa遺伝子座がヘテロの系統(R系統)と、SSIIIa遺伝子座が劣性ホモでSSI遺伝子座がヘテロ(A系統)の2種類の系統が存在し、両遺伝子座が劣性ホモであると、不稔になることが明らかになった。これらの白濁種子は、アミロペクチンの鎖長分布が両親のそれとは異なり、高アミロースであることが分かった。特にA系統の白濁種子は、これまで調べられてきたコメデンプンの中では、最も高いみかけのアミロース含量(HWゲル濾過法で32%)を示した。 2.イソアミラーゼ1(ISA1)変異体には、胚乳全体に正常のアミロペクチンより分岐頻度が高く、短鎖が多いフィトグリコーゲンを蓄積する系統が存在するが、この系統に、アミロペクチンのDP6-12をDP13-24に伸長する機能をもつインディカ型SSIIaを形質転換したところ、T_<1-3>種子において、分岐頻度は変化しないが、鎖長が伸長したαグルカンを蓄積する種子が得られた。これらは、形質転換前の親系統と異なり、種子断片にヨウ素で染まる領域が出現し、不溶性αグルカンが顕著に増加していた。一方、親系統のフィトグリコーゲンと変わらず結晶性をほとんど示さないことが明らかになった。以上のことから、形質転換したインディカ型SSIIaは、フィトグリコーゲンの鎖長を伸長し、αグルカンを不溶性に変化させるが、分岐頻度が変化しないため、結晶性については、もとのフィトグリコーゲンとかわらないことが明らかになった。
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Research Products
(12 results)