2007 Fiscal Year Annual Research Report
形質転換技術を用いたラン科植物特有の花器官形成機構の解明
Project/Area Number |
19380016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 明 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (10260449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三位 正洋 千葉大学, 園芸学部, 教授 (30093074)
半田 高 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (00192708)
遊川 知久 独立行政法人国立科学博物館, 筑波実験植物園, 研究員 (50280524)
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Keywords | デンドロビウム / コチョウラン / セッコク / サギソウ / MADS-box遺伝子 / 遺伝子単離 / 遺伝子発現 / 形質転換 |
Research Abstract |
デンドロビウム属セッコクの野生型ならびにこれら花物の花器官形成関連遺伝子群の発現解析をおこなうため,MADSボックス遺伝子群のクラスB(AP3/DEFおよびPI/GLO)遺伝子とクラスC(AGAMOUS)遺伝子を単離し,それぞれDMAP3A,DMAP3B,DMPI,DMAG1と名付けた.リアルタイムPCRの結果,クラスBのDMAP3AとDMAPIの第1ウォール(外花被)における発現が検出されたことから,これら2遺伝子の転写産物がヘテロダイマーを形成することで,セッコクにおける花弁様外花被を形成していることが考えられる.一方,DMAP3Bは第2ウォール(花弁とリップ)で顕著に高発現していたことから,本遺伝子が第2ウォールの完全な花弁形成に関与していることが示唆された.セッコクでは少なくとも2種類のAP/DEF遺伝子(DMAP3A,DMAP3B)が第2ウォールの器官形成に必要である.また,DMAG1はずい柱で高発現していたことから,本遺伝子の発現がランのずい柱形成に必要であると示唆された. コチョウランから単離された3つのMADS-box遺伝子の各アンチセンスを過剰発現させた形質転換コチョウランをそれぞれ約30個体ずつ作出した.現在,一部のハイグロマイシン耐性PLBから分化がみられ,発根した小植物が得られており,PCR法を用いて遺伝子が導入されていることを確認した. また今後の遺伝子解析に用いるラン科植物の研究材料の収集・作出に関しては,セッコクおよび同属の複数種の多様な花変異個体を収集・育成した.花芽分化させた後のさまざまなステージの花をサンプリングした.またダイサギソウの獅子咲き個体を育成・開花させた後,自家受粉を行い採種した.さらにサギソウの野生型およびがく片が花弁化した変異体‘飛翔'を交配し,その後代を作出した.
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Research Products
(2 results)