2008 Fiscal Year Annual Research Report
形質転換技術を用いたラン科植物特有の花器官形成機構の解明
Project/Area Number |
19380016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 明 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (10260449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三位 正洋 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (30093074)
半田 高 明治大極, 農学部, 准教授 (00192708)
遊川 知久 東北大学, 独立行政法人国立科学博物館夢筑波実験植物園, 研究主幹 (50280524)
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Keywords | デンドロビウム / コチョウラン / セッコク / サギソウ / MADS-box遺伝子 / 遺伝子単離 / 遺伝子発現 / 形質転換 |
Research Abstract |
セッコク(Dendrobium moniliforme)から2つのクラスB遺伝子(DMMADS4, DMPI)を単離した. 前者はコチョウランのPeMADS4と89%, 後者はPeMADS6と94%のホモロジーがあった. RT. PCRの結果, 前者は内花被, 唇弁, ずい柱で発現し, 後者は外花被, 内花被, 唇弁, ずい柱の全てで発現していた. また両遺伝子共, 子房発達時に発現していた. 酵母ツーハイブリッド解析により, これら2つの遺伝子はヘテロダイマ-を形成することがわかった. 更に, シロイヌナズナを使用した形質転換実験では, DMMADS4の強発現個体の花は野生型と変わらなかったが, DMPIの強発現個体の花は外花被が花弁様に変化した. また, 開花期間は野生型よりも長くなった. 以上の結果から, セッコクから単離した2つのクラスB遺伝子は花弁の発達と開花期間に関係すると考えられる. コチョウランから単離された3つのMADS-box遺伝子の各アンチセンスを過剰発現させた形質転換コチョウランをそれぞれ約30個体ずつ作出した. 現在, 3つの遺伝子から約16個体の発根したハイグロマイシン耐性植物を順化し, PCRで導入遺伝子の確認を行った. またナス科植物であるSolanum fiebrigiiにおいても形質転換体が得られたので, 次年度の解析に用いる. サギソウの野生型およびがく片が花弁化した変異体`飛翔'を交配し, その後代を作出した. `飛翔'にみられるがく片の花弁化および側がく片の唇弁化はともに後代に遺伝したので, この形質を他のサギソウ品種に導入することが可能であると考えられた. セッコクおよび同属の複数種の多様な花変異個体を収集・育成した. 花芽分化させた後のさまざまなステージの花をサンプリングした. これらは次年度の解析に用いる.
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Research Products
(3 results)