2009 Fiscal Year Annual Research Report
形質転換技術を用いたラン科植物特有の花器官形成機構の解明
Project/Area Number |
19380016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菅野 明 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (10260449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三位 正洋 千葉大学, 大学院・園芸学研究科, 教授 (30093074)
半田 高 明治大学, 農学部, 准教授 (00192708)
遊川 知久 独立行政法人国立科学博物館, 筑波実験植物園, 研究主幹 (50280524)
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Keywords | デンドロビウム / コチョウラン / セッコク / サギソウ / MADS-box遺伝子 / 遺伝子単離 / 遺伝子発現 / 形質転換 |
Research Abstract |
前年度に引き続きセッコク(Dendrobium moniliforme)から2つのクラスB遺伝子(DMAP3AおよびDMAP3B)を単離した。RT-PCRの結果、前者は外花被、内花被、唇弁、ずい柱の全てで発現していた。一方、後者は内花被、唇弁、ずい柱のみで発現していた。更に、シロイヌナズナを使用した形質転換実験では、DMAP3Bの強発現個体の花は野生型と変わらなかったが、前年に得られたDMPIの強発現形質転換体と交配した後代において、久外花被が花弁様に変化し、心皮の発達が阻害されていた。これは、やはり前年に得られたDMMADS4形質転換体とDMPI形質転換体との交配後代で観察された表現形と同じであり、これら3つの遺伝子がセッコクの花器官決定にとって重要な役割を担っていることが示唆された。 サギソウからはHrDEF遺伝子の他に新規DEF-like遺伝子2種類(HrDEF2,HrDEF3)のcDNAクローン断片を単離した。コチョウランでは4つのクレードに属するDEF-like遺伝子4つが単離されているが、サギソウからはこのうちの3つのクレードに属するDEF-like遺伝子が単離できた。 2008年度に順化した形質転換コチョウランのうち、PhalAG2Aを導入したものが1株開花した。この株はリップ化した花弁(ペロリック)の形態を示したが、組織培養によってもこのような変異が生じることが報告されている。従って、今後他のまだ開花していない個体の花の確認及び分子レベルでの解析を行い、培養で生じた変異なのか導入遺伝子の働きなのかを明らかにする必要がある。 セッコクおよび同属の複数種の多様な花変異個体を収集・育成した。花芽分化させた後のさまざまなステージの花をサンプリングした。ダイサギソウの花変異個体を育成し、交配・採種した。
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Research Products
(3 results)