2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物-菌類共生系におけるリン酸輸送の分子メカニズム
Project/Area Number |
19380040
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
江澤 辰広 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 准教授 (40273213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青野 俊裕 東京大学, 生物生産工学研究センター, 助教 (10372418)
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Keywords | アーバスキュラー菌根菌 / 共生 / リン酸 / オルガネラ / ポリリン酸 |
Research Abstract |
植物共生微生物であるアーバスキュラー菌根菌のリン酸輸送の分子メカニズムを明らがにする目的で、以下の研究を行った。 1. アーバスキュラー菌根菌Glomus sp. HR1株の外生菌糸ESTライブラリー構築 : RNA抽出のための外生菌糸を開放系において大量に培養し、約5gの菌糸を得た。現在、RNA抽出条件の検討を行っている。 2. ポリリン酸合成酵素の特性解析 : 前年度までの成果を元に論文を執筆し、投稿した(審査中)。 3. ゲノムアノテーション作業 : 国際コンソーシアムにおける協議の結果、我々のグループは輸送体およびリン酸代謝に関与する遺伝子のアノテーションを担当することとし、約350の遺伝を同定した。 4. ポリリン酸の動態解析 : リン酸欠乏条件で生させた菌糸にリン酸を与えると、全リンの2/3に達するポリリン酸が蓄積され、このとき、一価および二価の陽イオンが同調的に吸収され、細胞内の電荷バランスを保っていることが分かった。 5. 菌根菌ポリリン酸代謝遺伝子の取得 : Megasort法により、菌根特異的リン酸トランスポーター遺伝子の発現を抑制したミヤコグサ変異株と野生株において発現に変動のあった遺伝子群の単離・配列決定を行った。現在まで、384クローンの列解析を行った結果、297クローンが52のクラスターを形成した。これらのうち、ほとんどは植物由来の配列であったが、6つのクラスターは動物または原生生物の機能未知遺伝子との相同性が高く、菌根菌由来のものと推定された。現在、これらの遺伝子の機能解析を行っている。
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