2008 Fiscal Year Annual Research Report
環境傾度に沿った森林土壌の物質循環調節能の広域評価
Project/Area Number |
19380078
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
柴田 英昭 Hokkaido University, 北方生物圏フィールド科学センター, 准教授 (70281798)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 浩人 東京農工大学, 共生科学技術研究部, 准教授 (00237091)
稲垣 善之 北海道大学, 独立行政法人森林総合研究所・立地環境研究領域, 研究員 (00353590)
舘野 隆之輔 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (60390712)
木庭 啓介 東京農工大学, 共生科学技術研究部, 准教授 (90311745)
|
Keywords | 生物地球化学 / クロス培養実験 / 窒素循環 / 生態系生態学 / 比較研究 / LTER / 森林生態系 / 窒素無機化 |
Research Abstract |
本課題は土壌が持つ物質循環調節機能に特に注目し、列島スケールでの環境傾度に沿った地域間比較研究を中心としている。地域ごとの気候や地質、土壌といった立地条件の違いと、大気窒素汚染の違いに着目し、各地での土壌のクロス培養実験などを通じて、これまでにない一般性の高い物質循環変動メカニズムの解明を目指している。平成20年度は昨年における予備培養実験の結果を検討するとともに、それ基づいた本培養実験のプロトコルを確立し、全国各地での交換培養実験を開始した。培養開始は2008年6月で、土壌の交換時期は同年8月、10月および翌年6月に設定した。現地培養には150ccの円筒容器を用い、上下端にイオン交換樹脂を装着した。現地培養は北海道北部、関東北部、近畿中部、九州南部の4箇所とし、各5反復で行っている。また、九州南部で採取したリター(葉・根)を全国に配布し、各地でのリター分解速度を比較するためにリターバッグ法を用いて調査を開始した。これまでの結果から、各地土壌における正味窒素無機化速度の地域差は大きく、北海道北部では正味アンモニウム生成が主体であるのに対し、関東北部では硝化が主体であるなどの傾向を示している。また、近畿南部における土壌は過去長期間における里山利用の結果として土壌窒素が極端に低く、正味窒素無機化速度も著しく低い傾向を示した。今後は、交換培養による温度・水分環境変化が窒素無機化へ及ぼす影響と、その変動要因の解析を進めるとともに、無機化に関わる微生物の群集組成や、総窒素無機化速度について解析することを予定している。
|
Research Products
(18 results)