2009 Fiscal Year Annual Research Report
材料それぞれの持ち味を最大に生かせる新発想木造軸組構法の開発と耐力発現機構の解明
Project/Area Number |
19380101
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小松 幸平 Kyoto University, 生存圏研究所, 教授 (20283674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 拓郎 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (00335225)
北守 顕久 京都大学, 生存圏研究所, 助教 (10551400)
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Keywords | 国産材 / 軸組構法住宅 / 心材 / 耐久性 / 厚板 / 構造解析 |
Research Abstract |
1)住宅規模で導入できるモーメント抵抗接合部も重要であるとの認識から、住宅用モーメント抵抗接合法として広く用いられている「引きボルト接合法」による柱一梁接合部を対象に、降伏後の2次勾配も含めた精密な挙動の解析、並びに引きボルト接合部の性能向上法の策定を行った。前者については、柱と梁の接合部に分割して、それぞれの部分の挙動を可能な限り精密にモデル化して、高精度の予測計算が可能であることを実験値との対比から確認した。また後者については、引きボルトの欠点である柱の側面にボルトの座金がめり込むことで初期剛性が低下する現象に着目し、座金が柱側面にめり込むことを抑制するために、スギ圧縮木材で製造した楔を座金直下に挿入する方法を提案した。この補強法を施した結果、補強しない場合と比較して1.6~1.8倍程度の性能向上が見られた。 2)接合部や耐力壁などの構造要素の繰り返しループの履歴モデルを木造固有のスリップとピンチングの混合した形で表現するために、松永・曽田らの提案する拡張型NCLモデルを汎用型弾塑性解析プログラムであるSnapに組み込んだ。その結果木造特有のスリップ+ピンチング特性を数値解析によっても表現できる目処が立った。この汎用プログラムは非線形時刻歴応答解析も可能であるので、実挙動に近い動的挙動の予測もできる目処が立った。 3)上記汎用型非線形有限要素法プログラムを用いて、生存圏研究所敷地内に建設された国産材を利用した木造軸組架構の構造計算を行い、建設された2階建て木造建築物が大変形領域に至るまで崩壊することなく耐力を保有できることを数値計算によって示した。
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Research Products
(19 results)