2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380102
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今村 祐嗣 Kyoto University, 生存圏研究所, 教授 (70151686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 邦夫 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (30127104)
吉村 剛 京都大学, 生存圏研究所, 准教授 (40230809)
吉澤 伸夫 宇都宮大学, 農学部, 教授 (20008056)
高妻 洋成 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 理蔵文化センター, 保存修復科学研究員 (80234699)
山田 昌郎 京都大学, 独立行政法人・港湾空港技術研究所, 地盤・構造部・構造強度主任研究官 (30371769)
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Keywords | 木材耐久性 / 海洋環境 / 土中環境 / 宇宙環境 / 極地環境 / 耐海虫性 / 難燃性 / 電磁波シールド性 |
Research Abstract |
本研究の目的は,特殊な厳環境下での木材の劣化現象や耐久性の解明を通じて新たな木材用途開発のシーズを探求することであり、厳環境としで(1)海洋環境,(2)土中環境(長期間の土壌埋設),(3)宇宙環境,(4)極地環境を対象にした。 厳環境別に木材の劣化現象の解明に関する本年度に得られた研究実績の概要は以下の通りであった。 (a)海洋環境 海中浸漬試験用に多種多様な材料(木材、合板、プラスチック)を収集して、横須賀において海中浸漬試験装置に取り付け海中暴露試験を開始した。第1回目の調査を平成20年6〜9月に実施する。 (b)土中環境 長期間土壌埋設された出土木材は軟腐朽菌による劣化を受けているため,軟腐朽菌のChaetomiumによる促進試験法を検討後,室内試験に着手した。青谷上寺地遺跡,宮畑遺跡,平城宮跡などの土壌pHと酸化還元電位を測定し、木材が残存する土壌環境の指標の可能性,また,埋没環境の異なる青谷上寺地遺跡出土木材の成分分析を開始した。 (c)宇宙環境 照射レベルの異なるγ線照射木材調製し,γ線照射木材の特質解明の一部としてシロアリや腐朽菌に対する劣化抵抗性を標準室内試験によって検討した結果,γ線照射木材が選択的にシロアリに食害されることを見出した。また,アルミニウムと導電性木質材料の電磁波シールド効果を遮蔽評価によって測定したところ,試験したいずれの周波数帯でも測定感度以上の遮蔽効果が認められ,実用上アルミニウムと同程度以上の遮蔽効果が期待できることを実証した。遮蔽効果以外の宇宙環境で利用するための性能試験をJAXAの協力を得て計画、遂行している。 (d)極地環境 蒸気圧が低いトリメチルホウ素によって気相処理した木質材料の特質解明の一環として生物劣化抵抗性を検討した結果、液相処理と同様の耐朽・耐蟻性が得られた。難燃処理木材の低温度環境下での燃焼挙動を冬季の北海道(外気温-20℃以下)で実施し、常温下での挙動とは異なるものの難燃性に支障がないことを証明した。
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Research Products
(3 results)