2008 Fiscal Year Annual Research Report
多型ビテロジェニンモデルに基づく魚類卵黄形成機構の解明
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19380106
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原 彰彦 Hokkaido University, 大学院・水産科学研究院, 教授 (40091483)
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Keywords | ビテロジェニン / 免疫測定法 / 環境毒性学 / 卵形成 / 魚類 / 卵黄蛋白 / バイオマーカー / エストロジェン |
Research Abstract |
1. 多型ビテロジェニン(Vg)に関連する卵黄蛋白の精製 : ボラ卵巣から、リポビテリン以外の卵黄蛋白質(β'-コンポーネントおよびフォスビチン)を各種クロマトグラフィーを用いて精製し、β'-コンポーネントに対する抗体を作製した。 2. Vg遺伝子の塩基配列の決定 : 本年度は、系統進化上硬骨魚類以前に分化したと考えられる軟骨魚類(トラザメ)と無顎類(ヌタウナギ)Vgに関してcDNAクローニングを試み、一次構造を一部決定した。本結果は魚類Vgの分子進化過程並びに構造的多様性の理解に大きく貢献した。 3. 複数Vgの定量法の確立 : ボラのVgAおよびVgBに対する測定系を確立した。両測定系ともに、測定範囲は0.97〜1000ng/ml、アッセイ内・間変動係数は10%以下、回収率は100%前後であり、高感度、広範囲かつ精度の高い測定系であることが示された。 4. エストロジェン処理によるVgの動態 : ボラ未成熟魚にエストロジェン(EE2)を0.4、40、4000ng/BWとなるように投与し、一週間後血液中のVgAおよびVgB量を測定した。0.4ng群ではVgA・VgBともに検出限界以下であったが、40ng群ではVgA(1.43〜54μg/ml)よりもVgB(23.66-266μg/ml)が多く、4000ng群ではVgA(83.52〜4693μg/ml)がVgB(281.4〜2276μg/ml)よりも多く誘導されていた。 5. 組み換えVgの合成 : イトヨVgAおよびVgBのcDNA配列を参考に、VgAとVgBのC末端領域を標的とした組み換え蛋白を合成し、本種におけるサブタイプ特異抗血清並びに測定系の作製に向けた基盤を作った。
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