2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380126
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野田 公夫 Kyoto University, 農学研究科, 教授 (30156202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大田 伊久雄 愛媛大学, 農学部, 准教授 (00252495)
足立 芳宏 京都大学, 農学研究科, 准教授 (40283650)
岡田 知弘 京都大学, 経済学研究科, 教授 (60177053)
坂根 嘉弘 広島大学, 社会科学研究科, 教授 (00183046)
白木沢 旭児 北海道大学, 文学研究科, 教授 (10206287)
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Keywords | 農林資源 / 農林資源開発 / 資源化 / 科学動員 / 農村開発 / 総力戦体制 |
Research Abstract |
2009年度は最終年度であり、各担当者が分担してきた研究課題を論文としてとりまとめること、それらを基盤にして、本共同研究が課題としてきた(1)戦時下の農林業資源化の実体を明らかにしその歴史的意味を問うこと、(2)それを戦後日本における経済思想や資源政策とくに国土総合開発計画との関連を考察すること、(3)以上の過程を同時期のドイツおよびアメリカと比較考察し日本における資源思想と農林資源問題の個性を解明すること、以上三点に照らし理論的総括をすることを目標にした。 本年度もこれまでと同様7月・12月の2回、全体研究会を開催した。7月研究会において上記の研究計画を確認し、12月研究会でそれに基づく各自の計画と進捗状況を報告してもらい討議した。そのうえで、3年間の研究を「報告書」として集大成することを決定し、研究補助者も含む参加者全員に「1万2000字以上の論文」に取りまとめることを要請した。その結果、2010年3月15日付けで、A版282頁という大部の書物を刊行し関係者・関係機関に配布できた。 研究の達成度に関しては、上記の研究課題に即した場合、(1)と(3)の課題はほぼ達成できたと評価しているが、(2)の課題については、事実上一人に分析をまかせたこと、かつその担当者が事故のため文章化するに至らなかったことのために、不十分さを残さざるをえなかった。しかし、全体として、共同研究の過程で、農林業資源もしくは資源化にかかわる諸問題の現実的意味をより具体的に明らかにするためには、地域における農林業環境の具体的ありかた、言い換えれば「農林資源管理と農林資源管理主体」に関する研究が必要であることが自覚化されたことは大きな収穫であった。戦後の資源思想や資源政策、とりわけ国土総合開発という考え方が出て来ることの歴史的関連を明らかにすることとともに、今後、取り組むべき課題としたい。
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Research Products
(6 results)