2008 Fiscal Year Annual Research Report
イヌでの消炎ステロイド療法における動態学的薬物間相互作用の可能性
Project/Area Number |
19380176
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
下田 実 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (50154323)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 利郎 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (50262754)
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Keywords | 消炎ステロイド / CYP活性 / イヌ / ラット / α_1酸性糖タンパク / 肝マイクロソーム |
Research Abstract |
1.消炎ステロイドCYP活性への影響のIn vitro試験での評価 プレドニゾロン(PDSL)およびヒドロコルチゾン(HCZ)の臨床用量をイヌに1週間投与し、肝マイクロソーム中のCYP活性およびα_1酸性糖タンパク(AGP)濃度血漿中への影響を検討した。いずれもCYP2Dおよび3Aの活性を低かさせ、down regulationの可能性を示唆した。しかし、トリアムシノロン(TAN)で認められた血漿中α_1酸性糖タンパク濃度(AGP)の低下は認められなかった。 2.消炎ステロイドのCYP活性に対する阻害作用の評価 PDSL、HCZおよびTANのCYP1A、2C、2Dおよび3A活性に対する阻害作用を、肝マイクロソームを用いて検討した。いずれのステロイドもCYP1A、2Cおよび2D活性に対しては比較的弱い阻害作用を示し、CYP3A活性に対して比較的強い阻害作用を示した。特にHCZでは、臨床においてCYP3Aの基質となる薬物と有意な薬物間相互作用を引き起こす可能性が示唆された。 3.イヌに汎用される塩基性薬物のin vitro試験での結合動態の評価 イヌでの血漿を用い、リドカイン、プロプラノロール、キニジン、リンコマイシン、クリンダマイシンの結合動態を検討した。いずれも低濃度で高い結合率を示し、算出された解離定数は数μM以下(0.23〜3.84μM)であった。イヌのAGP溶液とアルブミン溶液を用い、これら薬物の結合を検討した結果、いずれもがAGPにだけ結合することが示された。
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