2008 Fiscal Year Annual Research Report
COMP断片化とMMP活性に基づく、関節疾患の分子病態学的研究
Project/Area Number |
19380178
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
三角 一浩 Kagoshima University, 農学部, 教授 (10291551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 誠 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (60305167)
上村 亮三 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 准教授 (30253884)
瀬戸山 健太郎 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 助教 (00372805)
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Keywords | 関節症 / 細胞外マトリックス / 診断マーカー / 軟骨 / 腫瘍 |
Research Abstract |
1.CIAラットとSKGマウスを用いて、関節炎の進行に伴う血清および尿中の分子病態マーカーの変化を検討した。ラットに牛由来II型コラーゲンを皮下投与し、CIAを誘起した。SKGマウスには、対照群と共にラミナリンを腹腔内投与した。いずれのモデルも抗原感作後、採血・採尿し、COMP値に加え、ラットでは尿中CTXII値と血清CRP値を、マウスでは血清MMP-3値を測定した。血清COMP値はいずれのモデルにおいても、投与直後に一過性の上昇を見るが次第に低下し、症状の進行一致して再上昇した。ラットでは、抗原感作の時期に血清CRPの上昇があった。SKGマウスの血清MMP-3値は、臨床スコアに一致して上昇した。安楽殺直前に得たSKGマウスの血清COMPおよびMMP-3値は、対照群よりいずれも有意に高かった。血清COMP値は滑膜炎や関節炎と一致して変動する一方で、MMP-3は関節破壊の程度をより良く反映した。 2.正常乳腺および腫瘍化した乳腺組織におけるCOMP分子発現の有無を観察するとともに、COMPの腫瘍組織発現分布に基づく予後との関係を考察した。外科的に切除された犬の自然発生性の乳腺腫瘍および正常乳腺を用い、抗ウマCOMPモノクローナル抗体による、ELISA,ウェスタンブロットおよび免疫組織学的検査を行った。腫瘍細胞におけるCOMP遺伝子の発現を検討するために、in situ Hybridization法も実施した。COMPの腫瘍組織内濃度と血清濃度は有意な相関を示し、組織抽出液のウェスタンブロットや免疫組織学的評価でも腫瘍化と一致して陽性反応を認めた。遺伝子発現は分子の局在パターンと一致した。悪性腫瘍における分子および遺伝子発現は良性腫瘍より多く、殊に増殖性や浸潤性が高いと考えられる領域に強陽性シグナルを認めた。MIAは、犬乳腺腫瘍の浸潤性を予測する一助となり得ることが示唆された。
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Research Products
(4 results)