2009 Fiscal Year Annual Research Report
COMP断片化とMMP活性に基づく、関節疾患の分子病態学的研究
Project/Area Number |
19380178
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
三角 一浩 Kagoshima University, 農学部, 教授 (10291551)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 誠 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (60305167)
上村 亮三 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 准教授 (30253884)
瀬戸山 健太郎 鹿児島大学, フロンティアサイエンス研究推進センター, 助教 (00372805)
|
Keywords | 関節症 / 細胞外マトリックス / 診断マーカー / 軟骨 / 腫瘍 |
Research Abstract |
運動負荷によって生じるCOMPの体内動態とMMPs活性の変化を検討し、健常動物と自然発生性関節疾患動物でその変動を比較した。実験1.では、健常馬に強度を段階的に増加させた運動を負荷し、COMPの動態を評価した。競走馬7頭を用いてトレッドミル上での運動負荷を行ない、血清COMP値を測定した。これまでのトラック上での運動負荷の結果と一致して、負荷強度の増加と関連して血清COMP値は段階的に上昇し、運動を中止することによって低下することが確認された。一定のトレーニング期間をおいて実施した同規定運動負荷試験では、負荷による血清COMP値の上昇は抑制された。0歳のサラブレッドにおいても同様な試験を行ない、運動による血清COMP値の上昇と、運動後1時間で低下することも検証できた。6カ月のトレーニング期間をおいた後の変化を評価する。 実験2.では、関節炎自然発症モデルであるSKGマウスの関節炎発症と関節マーカーとしてのCOMPおよびMMP-3の関係について検証を進めた。6頭のSKGマウスと対照であるBALB/cマウスにラミナリンを接種して関節炎を誘導した。すべてのSKGマウスで関節炎が誘導された。同個体からの繰り返し採血を可能とするために、ヘパリン処理チューブによる採血を直接希釈して得た血漿希釈液を用いて、両マーカーを定量した。その結果、血漿希釈液中のMMP-3は発症後の関節炎臨床スコアの増加と一致して上昇し、両者の間には統計的に有意な相関関係が認められた。血漿希釈液中のCOMP濃度は明らかな上昇を示さなかった。両群ともに18週目で安楽殺して血清を得た。血清中のCOMPおよびMMP-3はいずれも、SKGマウスの方がBALB/cと比較して有意に高い値を示した。血漿希釈液を用いたMMP-3の測定は、SKGマウスにおける自然発症関節炎の進行度を客観的に表すマーカーになることを明らかにした。
|
Research Products
(3 results)