2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19380183
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
東 順一 Kyoto University, 農学研究科, 教授 (80115782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内 孝之 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40202056)
武田 博清 京都大学, 農学研究科, 教授 (60109048)
二井 一禎 京都大学, 農学研究科, 教授 (50165445)
山内 龍男 京都大学, 農学研究科, 准教授 (40093330)
坂本 正弘 京都大学, 農学研究所, 講師 (40303870)
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Keywords | セルロース / ゲル / バイオマス / ゲル状バイオマス |
Research Abstract |
本研究は、セルロースの結晶化を阻害しゲル状を付与するために不可欠なセルロース以外の多糖の化学構造と機能、セルロースと安定なコンポジットを形成する仕組み及びセルロースを含むゲル状多糖コンポジットの生合成・形態形成に関与する遺伝子の特定を基礎として長さ・太さ・風合い・保水性等の人為的コントロールを可能とした品種改良をめざした未来型セルロース研究分野の創生を提供することを目的としている。本年度の研究においては、(1)種皮におけるセルロースを含むゲル状多糖コンポジットの形態観察の結果、バクテリアセルロースと比較して2.3〜5倍細いことを見出し(下記一番目の論文)、(2)セルロースを含むゲル状多糖コンポジットの構成多糖間の相互作用を解析した(下記二番目の論文)。また、(3)種皮表層セルロース生合成に関与するCesAを中心とした遺伝子の同定を実施しつつ、(4)セルロース性種皮ゲル状繊維の長さ・太さ・風合い等を規定する遺伝子を特定し、(5)in situ hybridization法とreal time PCR法を用いてその発現の部位と発現量の時間・部位的変動の解明を試みた結果、先行するシロイヌナズナと合致しないことがわかった。さらに、(6)セルロースに対する親和性の高い共存多糖の詳細な化学構造解析を試み、(7)そのセルロースとの相互作用よるセルロースの結晶化阻害の原因解明の一助を得た(下記二番目の論文)。同時に、(8)ゲル状セルロースコンポジットのバイオマスとしての用途開発について概説し(下記三番目の論文)、(9)微生物による生分解性を有していることを証明し(下記学会発表論文)、セルロースを中心とした種皮ゲル状セルロースバイオマス工学への発展の基盤を構築した。
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