2008 Fiscal Year Annual Research Report
細菌毒素感染機構を利用したドラッグデリバリーシステムの試作
Project/Area Number |
19380191
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
西河 淳 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (30218127)
|
Keywords | ボツリヌス毒素 / レクチン / ムチン / ドラッグデリバリー |
Research Abstract |
ボツリヌス毒素複合体は、神経毒素(NTX)とレクチン活性を持つタンパク質群(HA)から構成され、消化管内において上皮細胞の基本的な生理作用を巧みに利用し、上皮細胞層バリヤーを通過してNTXを体内循環系に送り込んでおり、このトランスサイトーシス経路にHAタンパク質が重要な役割を果たしていることが我々の研究で明らかとなった。本研究では、この巧みな機構を逆に利用し有用高分子物質を体内移行させるドラッグデリバリーベクターを創製することを目的としており、19年度において作製したHA1の各種ミュータントについて、2O年度は等温滴定カロリメトリー(ITC)を用いて各種糖に対する結合定数等を数値化し糖結合特異性を詳細に検討した。 具体的には、C型ボツリヌス毒素複合体構成成分HA1に2カ所(site I, site II)ある糖結合クレフト内の特定アミノ酸を別のアミノ酸に置換することによりムチンに対する結合性が変化したミュータントW176A, NQ278AA, F179I, W176A/D271Fおよびwild typeを大腸菌で大量に発現させて精製し、それぞれ50mg以上の純度の高いタンパク質を調製し、ITC測定に用いた。 結果の詳細はここでは省略する(現在論文作成中である)が、これまで行っていたムチンへの結合性から糖への親和性を類推する方法に比べ、site I, site IIごとの糖結合定数が得られ、今後の各種臓器別(細胞別)DDSベクターの試作において、大変重要なデータが得られた。 さらに、上記ミュータントを複数個結合させたDDSベクタープロトタイプの作製を試みた。
|
Research Products
(3 results)