2007 Fiscal Year Annual Research Report
Rad18タンパク質の多様な相互作用機構発現の構造的基盤
Project/Area Number |
19390012
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山縣 ゆり子 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (40183678)
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Keywords | DNA修復 / タンパク質-DNA複合体 / 構造生物学 |
Research Abstract |
Rad18タンパク質は、ヒトユビキチン結合酵素であるRad6と複合体を形成し、DNA上に損傷があっても働く損傷乗越えDNAポリメラーゼの中で特に紫外線による皮膚癌と関係する重要なDNAポリメラーゼηが働くためのシグナルとして、DNA複製の足場タンパク質であるPCNAをユビキチン化するユビキチンリガーゼである。最近、我々は、Rad18が複製フォーク様DNAに強く結合することを見出し、複製DNAポリメラーゼが損傷部位で複製を停止した状態をRad18が認識してPCNAのユビキチン化するという新しいモデルを提案した。本研究では、このモデル超分子複合体であるRad18/Rad6複合体とフォーク様DNAやPolηC末のRad18結合ドメイン(Polη158C)との3元複合体のX線結晶構造解析を行い、損傷乗越えDNA修復の初期機構を3次元構造レベルで解明することを目的としている。 Rad6/Radl8複合体はバキュロウイルス/SF9細胞の系でそれぞれの遺伝子を共発現させ、HisタグをつけたRad6に結合するRad18をNiカラムで精製した。さらにイオン交換カラムとゲルろ過カラムを用いて高純度複合体を得、数mg/mlに濃縮、結晶化のスクリーニングを行った。次に結合が証明されている複製フォーク様DNAフラグメントを委託合成、Y-DNAを調製し、Y-DNA/Rad18/Rad6の3元複合体の結晶化のスクリーニングを行った。Rad18/Rad6複合体は、時間が経つと凝集を起こすことがあるので、サンプル調製は結晶化の合わせ随時行っている。 Polη158Cとの3元複合体の結晶化のため、Polη158Cの大量調製をめざし、すでに作成した大腸菌中での発現ベクターを用いて可溶性分画への移行の確認後、Niカラムで精製したが、タンパク質の分解が認められたので、現在分解しない条件検討を行っている。
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