2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19390127
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
荒川 宜親 National Institute of Infectious Diseases, 細菌第2部, 部長 (10212622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴山 恵吾 国立感染症研究所, 細菌第2部, 室長 (50283437)
森 茂太郎 国立感染症研究所, 細菌第2部, 主任研究官 (60425676)
山根 一和 国立感染症研究所, 細菌第2部, 主任研究官 (00356247)
鈴木 里和 国立感染症研究所, 細菌第2部, 主任研究官 (30373400)
木村 幸司 国立感染症研究所, 細菌第2部, 主任研究官 (50425675)
和知野 純一 国立感染症研究所, 細菌第2部, 研究員 (00535651)
松井 真理 国立感染症研究所, 細菌第2部, 研究員 (50555761)
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Keywords | アシネトバクター / OXA型β-ラクタマーゼ / カルバペネム耐性 |
Research Abstract |
臨床から分離された。Acinetobacter baumanniiのOXA型β-ラクタマーゼ遺伝子の保有状況を調べるとともにその周辺構造の解析を行った。近年、海外では多剤耐性A.baumanniiが急増しており、特にOXA型β-ラクタマーゼ産生株が数多く分離され問題となっている。OXA型β-ラクタマーゼは、A.baumanniiの治療に主に用いられるカルバペネム系薬剤(イミペネム、メロペネム)に耐性を付与するため、その耐性頻度及び耐性機構を明らかにすることは、A.baumanniiへの対策を講じるために重要である。A.baumanniiの産生するOXA型β-ラクタマーゼは、獲得型のOXA-23-like、OXA-58-like、OXA-24-likeと元来染色体上にコードされている(染色体型)OXA-51-likeの4種に大別される。通常OXA-51-likeβ-ラクタマーゼは産生されないが、プロモーター配列をコードする挿入配列ISAbaがblaOXA-51-like遺伝子の上流に挿入された株ではOXA-51-likeβ-ラクタマーゼが産生される。 日本で分離されたA.baumanniiのblaOXA-51-like遺伝子周辺配列を調べた結果、海外でしばしば報告のあるISAba1を有する株が見つかり、その挿入領域も海外での報告例と一致していた。また、OXA-23-like、OXA-58-likeを獲得したA.baumanniiも海外での分離頻度に比べると少ないものの、日本でも分離されていることを明らかにした。
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