2007 Fiscal Year Annual Research Report
フロン代替物質神経毒性の分子・細胞標的解析と中枢神経障害バイオマーカーの確立
Project/Area Number |
19390160
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
市原 学 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (90252238)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 輝幸 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10246647)
伊東 秀記 愛知県コロニー発達障害研究所, 神経制御, 研究員 (40311443)
束村 博子 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (00212051)
岩橋 均 産業技術総合研究所, ヒューマンストレスシグナル研究センター, 主任研究員 (60356540)
尾崎 紀之 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (40244371)
|
Keywords | ブロモプロパン / 中枢神経毒性 / バイオマーカー / フロン代替 / 有機溶剤 / 神経伝達物質 / 受容体 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
【目的】ラットモデルを用いて、1BPの脳各部位の神経伝達物質受容体遺伝子発現への影響を解析し、1BP曝露影響が最も明確に現れる部位および神経伝達物質受容体を探索した。 【方法】36匹のF344ラットを無作為に9匹ずつの4群に分け、1BP 400、800、1000ppm、および新鮮空気に一日8時間、週7日、4週間曝露した。曝露終了後、ラットを断頭し、速やかに脳を剖出した後、cortex,caudate putamen,midbrain,hippocampus,amygdale,pons-medulla oblongata and cerebellumに分割した、Total RNAを脳各部位組織より抽出後、リアルタイム定量PCR法により、セロトニン受容体、ドーパミン受容体、GABA受容体遺伝子発現を定量し、曝露による影響を調べた。 【結果】海馬においては、量依存的な5HTr2a,D2R and GABAa1受容体遺伝子発現の減少が見られた。大脳皮質では、有意な5HTr1a,5HTr2a,D1R and GABAa1受容体遺伝子発現の低下が800ppmで見られたが、その傾向は、1000ppmで増強されることはなかった。橋-延髄においては、5HTr1a、5HTr3a受容体遺伝子発現が400ppm以上で減少していた。 【結論および考察】海馬のD2R受容体および橋-延髄の5HTR1a and 5HTR3a受容体が最も敏感な指標であった。遺伝子発現解析は1BP曝露による高感受性脳部位の同定および中枢神経毒性バイオマーカー探索に有用である。
|
Research Products
(23 results)