2008 Fiscal Year Annual Research Report
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19390163
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
荻野 景規 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70204104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
汪 達紘 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90294404)
瀧川 智子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90403493)
前川 剛志 山口大学, 医学系研究科, 教授 (60034972)
泉 友則 山口大学, 医学系研究科, 准教授 (00261694)
佐々木 健二 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20116461)
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Keywords | 喘息モデル / アルギナーゼ / 一酸化窒素合成酵素 / 一酸化窒素 / 気道抵抗 / NC / Ngaマウス / サイトカイン / ダニ |
Research Abstract |
ダニ抽出蛋白質の一つであるDermatophagoides farinae(Df)をNC/Ngaマウスに点鼻することにより、肺胞洗浄液中の好酸球数、気道抵抗、PAS陽性気管支上皮細胞数、肺胞洗浄液及び肺組織中IL-4, IL-5, IL-13のTh2サイトカインの等の増加の特徴を持った実験モデルにおいて、気道抵抗と組織改築に炎症細胞より産生されるアルギナーゼが関与しており、その制御により喘息の予防・治療法を開発することを目指し、次のような研究結果を得ている。 1)炎症細胞より産生されるIL-13によるアルギナーゼの誘導をIL-13の抗体で制御することにより可能かどうかを検討する実験を行った。IL-13モノクローナル抗体投与によりDF誘導喘息マウスの肺組織のアルギナーゼ発現、肺胞洗浄液の好酸球数、気道抵抗等の有意な低下と肺組織中NOxの有意な上昇を認め、アルギナーゼによるアルギニンの消費によりNO合成酵素からのNOの相対的不足が気管支拡張を妨げていることを示唆する結果として論文投稿中である。 2)アルギナーゼの制御をアルギナーゼ阻害剤(nor-NOHA)を用いて行うと、肺胞洗浄液中好酸球、気道抵抗、アルギナーゼの蛋白質発現、Th2サイトカイン等の有意な低下を認め、アルギナーゼの活性制御によりアルギニン代謝が正常に修復されることによりNO合成酵素由来のNOが産生され抗炎症作用を示す可能性が示唆され、アルギナーゼ阻害剤の治療薬としての可能性が示唆され、現在論文投稿予定である。 3)アルギナーゼの発現を低マンガン食の摂取により調節することによりNC/Ngaマウスの喘息を制御する実験を行ったところ、気道抵抗、肺胞洗浄液細胞数、細胞分画には影響が認められなかった。マンガン濃度を調節しながら、再実験予定である。 4)喘息肺組織に発現するバイオマーカーとしての蛋白質の検討を、現在、正常肺組織の蛋白質を家兎に免疫し、抗体を作成し、喘息肺組織蛋白質から正常発現蛋白質を吸収し、喘息のみに異常発現している蛋白質をプロテオーム解析により検出する研究を行っている。 5)喘息患者の血清中アルギナーゼ量の定量を行ったところ、小児喘息では有意な増加が認められた。現在患者数を増やし臨床疫学的解析により論文投稿予定している。 6)アルギナーゼ阻害剤の開発を某メーカーとの共同研究で開始し、スクリーニングを始めている。 以上、ほぼ研究計画通りに進んでいるが、アルギナーゼ阻害剤の抗炎症作用により注目すべきであることから、培養細胞を用いた抗炎症の機序の解明が必要とされている。
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[Journal Article] Increased susceptibility to oxidant-mediated tissue injury and peritoneal fibrosis in acatalasemic mice.2008
Author(s)
Fukuoka N, Sugiyama H, Inoue T, Kikumoto Y, Takie K, Morinaga K, Nakano K, Meeshima Y, Asanuma M, Wang DH, Ogino K, Masuoka N, mak i no H
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Journal Title
Am J Nephrol 28
Pages: 661-668
Peer Reviewed
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