2007 Fiscal Year Annual Research Report
先天性サイトメガロウイルス感染症の実態調査に関する研究
Project/Area Number |
19390182
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
宮川 広実 Osaka Prefectural Institute of Public Health, 感染症部・ウイルス課, 主任研究員 (10346207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 知子 大阪府立公衆衛生研究所, 感染症部細菌課, 主任研究員 (20250318)
和田 和子 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (30294094)
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Keywords | 母子保健 / 胎内感染 / サイトメガロウイルス |
Research Abstract |
当研究の目的は今後増加が懸念される先天性サイトメガロウイルス (CMV) 感染症に対し、新生児期にスクリーニング可能な検査法を開発し日本における実態を調査することである。 先天性CMV感染症は、母親が妊娠中にCMV感染を受けると胎児が感染し、難聴や精神運動発達遅延等の永続的な障害や血小板減少、肝機能異常などを認める疾患である。近年我が国の成人のCMV抗体保有率は低下傾向にあり、妊娠中に初感染を起こすリスクが増加している。また出生時は正常でもその後顕性化してくることもあり、新生児に対する簡便で迅速なスクリーニング法の開発が望まれる。 平成19年度は大阪府内の2医療機関において新生児のろ紙血検体の採取を行いnested PCR法および、LAMP法の系を用い、先天性CMV感染症のスクリーニングを約500検体で行った。そのうち3例でCMVDNAが陽性で、先天性CMV感染症と診断された。これは今までの報告と比較すると高い発生率であり、今後引き続き症例数を増やして検討する必要がある。 nested PCR法は感度か高く、先天性CMV感染症の診断には有効であるが、手技が煩雑でスクリーニング法には適していない。今回我々が関発したLAMP法の特異性は良好で、nested PCR法に比較して感度はやや劣るものの、スクリーニングが可能であることが確認できつつある。 また陽性児については保護者の同意を得たうえで、定期的なフォローを行い、必要であれば治療や発達の支援などを行う予定である。
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Research Products
(3 results)