2009 Fiscal Year Annual Research Report
腸内細菌とストレス反応:動物実験と臨床研究の融合による統合的解明
Project/Area Number |
19390192
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久保 千春 Kyushu University, 大学病院, 教授 (80117100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉原 一文 九州大学, 大学病院, 助教 (20444854)
古賀 泰裕 東海大学, 医学部, 教授 (60170221)
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Keywords | 生理学 / ストレス / 神経科学 / 腸内細菌 |
Research Abstract |
1. 動物実験:人工菌叢マウスでの行動解析 本年度は、無菌マウス、通常のSPF環境下で飼育されたSPFマウスおよび生直後にSPFマウスの糞便を移入したEx-GFマウスを用い、腸内細菌叢の有無により成長後の行動に違いが生じるかについて検討した。その結果、無菌マウスではmarble burying behaviorが亢進しており、SPFマウスおよびEx-GFマウスよりも一定時間内(30分間)に多くのビー玉を埋める行動が観察された。またオープンフィールドを用いた解析においては、無菌マウスでは、運動能の亢進、不安関連行動の増強が認められた。 2. 臨床研究:ヒト新生児おける腸内細菌叢形成 本年度は、昨年度Pediatric Research誌上に報告した解析結果に加え、児のコルチゾール分泌能に関与する母親側の要因について検討した。その結果、母親の出産前におけるvagina内のBifidobacterium/Lactobacillus比(B/L比)と児のコルチゾール分泌能との間に負の相関を認めた。つまりB/L比が低いほど児のコルチゾール分泌能が高いことになる。現在、その研究結果を論文として投稿すべく準備中である。
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